■柏木ハルコ『も〜れつバンビ』5巻。完結。
柏木ハルコがバトルものを描いたのが意外。そんで面白かった。
闘牛マンガだから描かれてるのは牛の闘いなんだけども、含んでるものは広い。望まずに投げ込まれた状況と、その中での本人(牛だけど)のモチベーション。牛にとっては命、人にとってお金の懸かった勝負の中の、ドライさと情。
なんならこれも、お仕事マンガとして読めるように思う。
本来、勝負モノがいろんな要素を含んでいるのは当たり前のことで、単によくできたバトルものってことでいいのか。
勝負には熱さが必要だが、ヒロインの熱さは例によって空回りするタイプ。実際に闘うバンビは引いた立場に行く。熱すぎず、過剰なドラマがないぶん深味が出てるように思う。
柏木ハルコのマンガはどれも5巻くらいで終わってて、このくらいのボリュームは調度いいんだけど、これに関してはもうちょっと読みたかった感じ。バタバタしてるし、日和好きなんで日常面とかサービスカットとかもっと見たかったし。
検索したらこんなところに柏木先生が!
ミント
ミント
■まだミント買ってます。買い続けてます。レビューします。「アフターディナーミント」だとか、すかしてやがる感じのは買いません。貧乏ですから。輸入物はだいたい、かつてソニプラであったところのプラザに置いてます。あとカルディとか三浦屋とか。
■まずは普通の
・フリスク ブラック ミント
オランダ産。口に入れた瞬間は一番辛い。味にクセがなく、安くもなく高くもなく、どこでも売ってて、標準的。
・ホールズ ハイパー ミント
イギリス生まれの日本製。メンタムっぽい。ぬめっとした味。強さを謳うわりにはちょっと弱め。ハードキャンディーは、噛み砕けば一気に広がるミントの刺激と、アゴに伝わる振動の相乗効果で目が覚めやすい。
・メントス ミント
オランダ産。歯磨き粉っぽい味。ミント弱いし、ソフトキャンディーが好きじゃないんで、俺的にはいまいち。
■気に入ったの
・フィッシャーマンズ フレンド (写真:a)
強い。イギリス産。前に書いて以来リピートしてる。普通は小袋で売ってる。白い袋がオリジナルのエキストラストロングで、緑がストロング。オリジナルの方が強い。2種セットに携帯用の缶が付いたのもプラザで買えた(下の二つの缶がそれ)。
白袋はユーカリと甘草とスパイスによる独特の風味。ミントが体に染みる感じで最強。緑袋はクセがなく、これぞハッカって感じ。若干歯磨き粉っぽいが、これもまた良い。
・ミンティア シャープエバー
安い。国産。爽快レベル星三つだが、星五つのコールドスマッシュと比べて、強さがそんなには違わない。後述するアルトイズにちょっとだけ似た風味があるんで、比較的これが好き。それにつけても日本のミントのパッケージのつまらなさよ。
・モンクス スティック エキストラ ストロング ミント
冷たい。イタリア産。ホールズに似てホールズより旨い。ミント強めだけど辛い感じはなくて、口の中がかなりひんやりする。かすかな酸味もあり、キンキンに冷えたジンライムを口に含んだ感じ。目覚まし用途にいいかも。
・アルトイズ ペパーミント (b)
旨い。イギリス発祥のアメリカ産。缶が電子工作の筐体に使われることで有名。質感は落雁とかビオフェルミンとかに似てる。ぼりぼり食うとミントの風味が広がって、上品な旨さ。夏にハッカ油を買って風呂に入れたりしてたんだけど、まさにそのハッカの香りなんですよ。ちょっと草っぽい感じの。
刺激が少ないのでそっち方面のコストパフォーマンスが低く、滅多に買わないと思うが、おいしい。
■そのほか
・ディルズ ハーブ ミント (c)
ベルギー産。ロゴがヘボ可愛い。味はちょっとペッツに似てる。ミント弱めだけど爽やか。これ好きな人いると思う。最初口に入れたとき洗剤みたいな味だと思ったけど、2回目からは気にならなくなった。
・ジラ ペパーミント (d)
オーストラリア産。缶が凝ってる。大粒のフリスクという感じ。甘さ控えめで大人っぽい。
・スター☆ミンツ ストロング (e)
スペイン産。これ、昔は普通に売ってたよね。BB弾みたいな白い球状のハードキャンディ。薄味でクセがなく、甘みもミントも控えめ。そのわりに口の中がすっきりする。この小っこいパッケージはロゴが外装フィルムにプリントしてあるんで、開けると無地になっちゃう。
・サクマ式 ハッカ ドロップス (f)
ダイソーで買った。サクマのサイトには載ってない。子どもの頃ハッカはハズレだったのに、ハッカだけのを買う日が来るとは。久しぶりに食ったけど、まあこんなんでしたね。
・ラボジェンヌ ドロップ ペパーミント (g)
スペイン産ハッカ飴。サクマよりミント感が強くておいしい。
・ピンキー アラスカミント グリーンメンソール
国産。ピンキーの中で一番ストレートなミントだと思われるが、駄菓子的な味と香りがする。ちょっとソーダっぽいというか。俺はこういうの苦手だけど、好きな人もいるんだろうな。そんなに辛くないわりに清涼感はある。なんかサイトから消えてますな。
・トップバリュ ミント タブレット ストロング
国産。イオンが出してる。味はピンキーに似てるが黒フリスク並みに辛い。ケースの造りが雑で、うっかり開きやすい。デザインもへんてこ。ちょっと安いんだが、ミンティアもよく安売りしてるからなあ。詰め替え用はすんごい安いが、この辺では見かけない。
・カンロ ノンシュガー スーパーメントールのど飴
国産。ハードキャンディーなのにガムっぽい味。これまたピンキー的ソーダ風味もする。強さはまあそこそこ。
マルイ ニュー銀ダンRF
■ニュー銀ダンエアガン ポリスピストルSS リアル・ブラック買うた。マルイ内のページはここ。
鉄砲のオモチャは肩身が狭いようで、デパートとかヨドバシとかには置いてない。新宿なら、さくらやホビー館があったけどつぶれちゃった。遠くて濃いECHIGOYAまで行かないとない。街の小っこいオモチャ屋には普通に置いてたりするんだけどね。
そんななか、STマークを取得したローパワーとカラフルな塗装でイメージ改善に努め、なおかつマルイならではのホップと命中精度でプレイバリューを高めた戦略商品、銀ダン・エアガンが出た。ここまでやったのに、やっぱりオモチャ売り場になかなか置いてもらえてないっぽい。
大きなお友達としては赤とか緑とかの鉄砲は欲しくない。で、黒と銀のリアルフィニッシュが出たんで買うた。色がリアルになっただけでSTマークは取れて10歳以上用になったけど、パワーは変わってないそうで(ちょっとだけ強くなったという説もある)。ちなみに買ったのは街の小っこいオモチャ屋。
物品として可愛らしいですね。値段なりに頑張ってる感じがいい。精度はあるけど、サイトがちょっと右にズレてますな。あと油の付き具合によるのか、ホップのかかり方が一定しない。ローパワーで安定させるのは難しいんだろう。もうちょっとお金出せば普通の10歳以上用なり大人用なりが買えて、そっちなら安定して当たるし、スライドやらマガジンキャッチやらも可動するんだけど、銀ダンはまあ「これでいいじゃないの」みたいな感じがする。
このローパワーは部屋の中で撃つにはいいですな。ものを壊す心配がない。外で撃つとタマがホップでひょろひょろ飛ぶ感じも面白い。
写真に一緒に写ってるルガーは100均の元祖銀玉鉄砲的なもの。1200円と100円はもの凄く違うんだけども、まあホントに何もかも違う。100均のは前に飛ぶってだけで、サイトもクソもない。銀玉鉄砲で撃ち合いしてた小学生の頃に銀ダンエアガンがあったらもう、超兵器だったろうな。子どもがこれで撃ち合いしたら、きっと面白いよ。そのくらいは許されてほしいなあ。
仮面ライダーW 最終回
■W良かったっすね。中盤からぐいぐい面白くなってった。コメディータッチでありながら、かっこいいところはちゃんとかっこいい。照井なんか崩れたからこそ、よけい格好よくなった気がする。終盤駆け足すぎて、ちょっとわけわかんなかったけども、きれいに終わってくれて良かった。
前回で終わってた方が、語り継がれるラストになったのかもしれんが、Wらしくちゃんとハッピーエンドにしてくれて嬉しい。面白かったー!
ビートンの完璧な救済具合
■掃除をしながらなんとなく『ろぼっ子ビートン』の主題歌を歌ってたら泣けてきたので報告します。
ハーイ!ビートン わたしのビートン
曲名は『わたしのビートン』ですね。
できそこないの ロボットと みんなは言うけれど
パブリックな評価がとても低いと。
でもでも いいじゃないの わたしは好きなのよ
なのに全肯定。好きに理屈はいらない。
約束しましょう 今度の日曜日
ここはちょっと置いといて
ドーナッツ たこやき イチゴミルク
あなたの好きなもの 作ってあげるわ
ここですね。私の得意料理を召し上がれじゃなくて、あなたの好きなもの作ってあげるわ。どうすればあなたが喜ぶか気遣っている、つまりあなたのことを考えてる。
内田樹はこう言ってる。
「母親」の仕事は子どもの基本的な生理的欲求を満たすこと(ご飯をきちんと食べさせる、着心地のよい服を着せる、さっぱりした暖かい布団に寝かせるなど)、子どもの非言語的「アラーム」をいちはやく受信すること、どんな場合でも子どもの味方をすること、この三点くらいである。
こっちでは独身男性に対して似たようなこと言ってる。
糸井さんの『MOTHER』では最初に好きなものを訊かれる。で、家帰ったらお母さんがそれ作ってくれる。愛情の表出は、生理的な快感を与えることが基本らしい。『MOTHER3』のサルのエピソードはこの逆みたいでつらかった。電気ビリビリで不快を与えられて隷属させられる。
ビートンに戻ります。
きっときてね わたしのうちへ ララララ ララララ 待ってるわ
すごい歓迎っぷりですね。ララララ歌っちゃうほど待ってくれてる。彼女にとっても喜びなんですね。好きなもの作ってもらうんじゃ悪いなあと思うけど、これなら遠慮はいらない。
そんでこれは今度の日曜日の約束でした。ハレの日曜日に彼女が待ってるんですよ。6日つらくても、なんとかなりそう。
そんで2番。
あわてんぼうで ドロまみれ みんなが笑うけど
泥まみれは「イケてない(死語っぽいが)」くらいの意味だろうけど、汚いとも取れる。衛生は生死に関わることだから大事なんだけど、それだけに汚い・臭いは排除のための強力な武器になる。子どものイジメで「バイキン」って言葉が使われたり。
「キモい」もこれに近い。「お金は誰が触ったかわからないから汚い」なんて言うけど、そもそも順番が逆みたいなところもあって、親しくない人に対して「汚い」が発動する。
でもでも いいじゃないの わたしは好きなのよ
でもいいんですよ。
ずっと飛ばして
あなたをお風呂で 洗ってあげるわ
お風呂! 女の子と! ここでも心地よくしてもらえる。親しくしてくれる。死から遠ざかる。イケてるようにしてくれる。
きっときてね わたしのうちへ ララララ ララララ 待ってるわ
泣けるなあ。
『傷だらけの店長』
■伊達雅彦『傷だらけの店長 〜それでもやらねばならない〜』読んだ。
薄給で人手不足で拘束時間が長くて、でも本が好きだから書店員を続けていたが、近所に大型店が進出してきて。みたいな話がやたらかっこいい文体で書かれている。
書店の実情ってどんなんだろう、という興味で買って、そっち方面でも面白かったんだが、こういうことは書店に限らず起こってる。しぼんでる業種はいろいろある。
そんで、仕事に対する思いと現状のギャップなんかは、さらに広くどの業種でも同様だろうなと思った。
なので共感っていうと気恥ずかしい感じがするけど、お仕事に関する本として、とても面白かった。
客が探している本を見つけられたら嬉しいとある。探しているものがはっきりしてればともかく、漠然とした質問は迷惑だろうと思っていて、俺はしたことがない。そういうのでもやっぱり嬉しいもんなんですな書店員としては。もちろん場合によるだろうけど。言われてみればそうか。自分の技能でお客さんに喜んでもらうのが基本だもんな。
っていうか書店員と本に関する話をした覚えがない。
音楽だと、レコードの時代は店員に頼めばどれでも試聴できた。そのときに店員にいろいろ教えてもらったりした。レンタル屋でも、これが好きならこれも好きなはず、とか、これは聴いとかないととか、新譜出たから聴くよねつって返事しないうちに袋入れられたりとか、楽しかったけど。
今でもマニア向けの店だとそんなんかもしれんけど、近所の普通の店でいろいろ教えてもらうって、まあ当然減ってるわね。模型屋とかカメラ屋とかも。ネットがあるから情報は増えたけども。
『サラリーマン漫画の戦後史』
■真実一郎『サラリーマン漫画の戦後史』読んだ。
作品との距離感が流石だなあと思った。距離感っていうと外側から眺めてる感じがしちゃうな。そうじゃなくて、中に入っていって、でも語る言葉は外向きに覚めてる。マンガの解説ってこういうふうに書くのかと思った。お手本みたいな。
マンガを通してみる戦後サラリーマン史でもあり、景気による世相と労働感の変遷が見渡せる。マンガだけじゃなく映画やCMなんかも扱ってて、年表とか好きな者には大変面白いです。自分の足場がどうやってできてきたのか確認できる。
以降、読みながら考えたことで、直接本の感想ではないです。
’70年代のサラリーマンマンガは、父親が読むもので、父親が描かれたものだった。当時小中学生の俺は田村信とか山上たつひこが好物であって、新聞4コマみたいのはちっとも面白くなかった。笑点で「うまいね!」とかいわれて座布団もらえるけど、全然笑えないみたいな。
前に響鬼の感想で書いたけども、マンガやテレビで描かれるサラリーマン像は、これから大人になる子どもにとって、しんどいものだった。
俺らの世代がサラリーマンは厭だと思えたのも、今後まだ経済成長があって、その上で自分は自由にやれるからだった。今、不況で就職難で、個人的にもフリーやってけなくなったが、もう雇ってくれるところもない。サラリーマンになるのも難しい。
なのに、この本でまとめられてる黄金期のサラリーマン像を見ても、やっぱり魅力的に思えない。対人関係でうまくやれれば成功って、「仕事」なのか。
職場の人間関係は働く者の幸せに繋がるし、仕事の上でも当然重要。でもやっぱり仕事そのものじゃない。もうちょっとドライというか実利的に、仕事を疑似家族と切り離してもらわないと、いろいろしんどい。
最後の第5章には「承認」という言葉がたくさん出てくる。承認の求め方が変わってきたって話。
仕事を通して承認を得るっていうのは普通だけど、仕事以前に帰属と承認が問題なんだろう。帰属そのものが承認だとしんどい。仲間に入れる入れないの話で、入れなければ社会に入れてもらえないってことだから。
生活と生産が家単位・村単位だったときは、生まれた時点で帰属と承認が得られてたはず。でも、それはそれで不自由でもあって、望んで家を出たのもあるんだろう。家さえ飛び出なければ今ごろみんな揃って、おめでとうが言えたのにどこで間違えたのか。宗教を信じられたら、いくらかは解決すんだろうな。
思い出したが、社会に居場所を見つけるマンガだった『赤灯えれじい』は父親が過労死してる。だからどうしたっていう話はあんまり出てこないけど、前提としてある。
生活のために働くってのは普通で、生活を犠牲にして働くとなると、なんのこっちゃわからなくなるが、実際には普通にある。今後もまだそれで行くのかってことだと思う。