マイクロフォーサーズ

OM-1
 カメラのニュースはだいたいフルサイズの話題。昔PC98が主流だった頃、パソコンのニュースといえば98で、Macユーザーは肩身が狭かったのに似ている。
 ニュース見てるとサイバーだしナイスだしジョリーグッドな(©スタパさん)カメラや、どんどん改良されるレンズの新製品が出てくる。羨ましい。が、高くて買えない。そしてデカい。
 OM-1ユーザーだけども、これでよかったなと思う。分相応。システムが小さくハンドリングが楽。フラッグシップとF2.8標準ズームが、買える値段で手軽に持ち運べる大きさ。マイクロフォーサーズはボケないが、スナップ用途だと被写界深度が稼げてかえっていい。そんで1型コンデジとは格段に違う画質と操作性が得られる。いいカメラだと思う。

カメラマーケティングの謎

 フジが、縦位置が標準のデジカメを出すという噂がある。
 ペンタックス17がハーフを採用した理由のひとつは、スマホユーザーに馴染みのある縦画面だから。
 キヤノンPowerShot V10は横位置だがボディーを縦長にした。そのせいで液晶が小さくなっている。
 LUMIX S9は横位置で横型の普通のカメラだが、TikTokユーザーをターゲットにしたと言っており、「フィルムはもういらないかも」という広告も打っている。
 これらの戦略って当たってるんだろうか。スマホがあればカメラはいらないという風潮に、カメラメーカーがなんとかしなきゃと思っているのはわかるが、届いてるんだろうか。
 「今の子なんでも縦なんすよ」ってちょっとバカにしてないか。
 ペンタックス17は売れてるそうだが、初心者とか上級者とかの区分じゃなく、買ってるのはマニアじゃないのか。写ルンですで撮ってるユーザーが9万円近くも出せるもんだろうか。
 LUMIX S9は小型軽量が売りで、ならなぜm4/3にしなかったかというと、m4/3の良さはカメラをわかってる人向けで初心者向けではないからだという。それはそうかもしれない。けどコンパクトなぶん暗いズームをセットにしたんじゃ、ボケないし暗所にも弱いし、フルサイズである理由がなくなる。とんちきだ。
 俺みたいなマーケティング知らない人間がとやかく言うことではないと思うが、どうもこういうすり寄りは気持ち悪い。うまくいってるなら教えてほしい。

カメラ(主にフィルムカメラ)の基本

Film Camera
 フィルムカメラに関する記事や動画を見てたらなんかもやもやしてきたので、自分が初心者だったときわからなかった、絞りとシャッタースピードの関係について書く。ちょっとややこしいけど、これがわかれば基本OKだと思う。
 
■ピント
 ピントは1点にしか合いません(正確には1球面)。固定焦点のカメラは3メートルあたりに設定されています。それ以外はボケます。よく「1メートルから無限遠までピントが合うようにできている」などと、まるで特殊なレンズが使われているような記述を見かけますが、そんなレンズはありません。
 ただ、ボケが小さければボケているように見えないので、ここまでなら合ってることにしようやという範囲があります。この範囲の深さを被写界深度と言います。レンズの焦点距離が短いほど被写界深度は深くなり、ピントが合って見える前後の範囲が広くなります。また、絞りを絞るほど被写界深度は深くなります。反対に焦点距離の長いレンズで絞りを開ければボケが大きくなり、被写界深度は浅くなります。
 マニュアルフォーカスの時代には、ピントの深い広角レンズを絞って使い、目測ピントで素早くスナップするということが行われました。
 ポートレートの標準レンズは85ミリと言われていました。これは、背景をボカして歪みなく撮るために望遠を使いたいが、被写体と離れてしまうとコミュニケーションが取れなくなるので、中望遠の明るいレンズ(絞りが開けられるレンズ)が調度よかったからです。ただ85ミリではポートレート然としすぎるので、最近はより距離感の近い50ミリが多用されます。
 
■露出
 露出には、絞り、シャッタースピード(露光時間)、感度の3要素があります。感度のことはちょっと置いておきます。フィルムの場合は入れたら撮り終わるまで感度は変えられませんし。
 絞りとシャッタースピードの関係は、蛇口からコップに水を溜めることに例えられます。調度いい量の水を溜めるのに2とおりの方法があります。
・一気に出して短時間で止める
・ちょろちょろ出して長時間かける
どちらでも同じ結果が得られます。これを露出に置き換えると
・絞りを開いてシャッタースピードを上げる
・絞りを絞ってシャッタースピードを下げる
となります。適正露出になる組み合わせは複数あるのです。
 調度いい量を溜めるといっても、その量はどうやって知るのか。それは露出計が教えてくれます。難しくありません。
 適正露出になる前提で話します。
・絞りを開ければシャッタースピードが上がります。ボケが大きくなり、ピント合わせがシビアになります。一方で、動体は止まり、手ブレしにくくなります。
・絞りを絞ればシャッタースピードが下がります。ボケが小さくなり、被写界深度が深くなります。動体はぶれ、手ブレの危険性も増します。
 このバランスを考えて露出の組み合わせを決めます。
 例えば、背景をボカして被写体を浮き上がらせたいときは絞りを開けます。動体を撮るときも絞りを開けてシャッタースピードを上げます。人と背景の両方を写したいときは絞り込んで被写界深度を深くします。
 
 カメラの露出計は、反射率18%のグレーを適正露出とします。18%グレーというと薄いグレーのように思えますが、反射率18%は白と黒の調度中間です。画面全体の明るさの平均が白と黒の中間になるのが、露出計にとっての適正露出です(平均測光の場合)。真っ白な壁を撮っても、真っ黒な壁を撮っても、写るのは中間のグレーです(ただし、最近のカメラは状況を判断して露出を決めるので、この限りではありません)。
 適正露出なら見たままが撮れると思いがちですが違うのです。白いものを白く撮りたければ、露出計が示すより取り込む光の量を増やし、夕方を薄暗く撮りたいのであれば光の量を減らさなければなりません。
 また逆光は要注意です。背景が明るいのでそちらに引っ張られて露出計は被写体が明るいと判断し、結果暗く写ってしまいます。露出計が示すより光の量を増やさなければいけません。
 どうやるのか。マニュアル露出のカメラでは露出計が示す値から自由に外して露出が決められます。自動露出のカメラでは露出補正ダイヤルを使います。露出補正ダイヤルのないコンパクトカメラでは、フィルム感度設定を変えることで露出補正ができます。感度設定を低い方にずらせば、カメラはより多くの光が必要だと判断し、明るく写せます。
 
 シャッタースピードダイヤルには4、8、15、30、60、125、250、500、1000などと書かれています。ひとつずらせば露光時間が倍か半分になります。けっこう大雑把です。この倍・半分を1段と言います。倍なら4、8、16、32、64、128、256、512、1024じゃないの?と思いますが、実際設計上はそうなっています。パソコンもない時代、キリのいい数字に丸めて表示したのでこうなっています。また1000と1024は誤差範囲で、シャッター精度はそんなに高くありません。
 絞りの方には、1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16などと書かれています。これもひと目盛り1段です。F4とF2では開口部の直径が2倍になり、面積は4倍なので、面積が2倍になる値が刻まれています。
 明るいレンズとは、絞りをより開くことのできるレンズです。絞りを開いたらシャッタースピードを上げて適正露出にするので、明るいレンズを使えば明るく写るというのは間違いです。
 
 最後にフィルム感度。ISO 100、200、400など、これも1段ずつ感度が変わります。100を200にすれば必要な光の量は半分になります。感度が高いほど写りはざらざらしてきます。室内など暗所では400を使いたいところですが、日中屋外に持って行くと、明るいレンズが付いていてもシャッタースピードの限界で絞りが開けられなかったりします。

PENTAX 17が出たけども

olympus 35rd
 このご時世にフィルムカメラを出すのはチャレンジャーであり偉い。が、高い。写ルンですからのステップアップで8万8000円出せるかね。あとデザインなんとかならんかったんか。
 手軽なフィルムカメラ買うなら写真みたいな小型レンジファインダーがいいと思う。ちゃんとピント合わせられるし。写真のモデルはちょっとレアでお高いけど、1970年前後に似たようなのが各社から出ている。コニカC35なんか完動品が5000円からある。状態良くて高くても2万円。スズキ スペーシアのCMで芦田愛菜さんが持ってるやつ。中古のリスクはあるけどペンタックス17よりずっとお安い。

どうでもいい話だが

 現役女子高生って普通に使うのはなんなんだ。女子高生は基本現役だろう。元女子高生は珍しくもなんともないから呼称の必要がなく、なんちゃって女子高生はなんちゃってなんだから、こっちを区別すればいいだけだ。
 あと前にも書いたがRAW現像とかRAWファイルってなんなんだ。RAWは生の意味で略語でも固有名詞でもない。なんでRAWだけアルファベットなんだ。ロウでいいだろ。昔インターネットが普及しはじめの頃、Webって英語表記にしてるとこがあったが今はやってない。あれと同じだがRAWは一向に改まらない。

OM-1 Mark IIが出たわけだが

製品サイト
 2年というフラッグシップとしては短いスパンで新型が出て、ハード的にはバッファが2倍になったくらいしか変わってない。RAMも増えてるそうだが、センサーとエンジンは一緒。
 ソフト的にはAFが改善されてるという。デジカメWatchによると

従来からある顔優先/瞳優先AFをAI被写体認識AFに統合・発展させたもので、人物の横向きや後ろ向き、目や口が隠れていてもAFできるよう認識能力が向上したという。加えて、検出被写体をスーパーコンパネから選べるようにし、従来よりスムーズな操作性とした。
 
ほかにも被写体追尾能力と合焦率がアップしたとしており、被写体の手前のあるものに引っ張られにくくなったという。

だそうで、これな、無印OM-1ユーザーがずっと不満に思ってきたことで、ファームウェアによる改善を待ってたのよ。OM-1のAFは他社に負けてるけどファーム2.0が来るんだと思ってた。OMDSは改善の余地があると言ってて、実際ハード的に変わってないMark IIで改善されてるんだから、無印にも適用できるはず。RAMが違うといっても、なんらかの改善はできるだろう。でも、それやっちゃうとMark IIの売れ行きが鈍るからやらない。
 がっかりですわ。メーカーがユーザーを大事にしないなら、ユーザーもメーカーを大事にしないよ。
 まあ、無印は最後のOLYMPUS銘の機種なんで、どっちみち壊れるまで使う気でいて、ちょいちょい買い替えるいいユーザーではないけども、壊れたらもうOMDSの新機種じゃなく、よそに移ろうかなまで考えるよ。もう1回言うけど、がっかりですわ。
 
*追記
2月21日にファームウェアアップデート計画についてのお知らせがあった。これ。おお、やればできるじゃないかOMDS! 見直したよ。2.0と呼べるだけのアップデートかどうかはわからないが、とりあえず良かった。このタイミングでの発表は、もともとやるつもりはなく、あんまり不評だからやっぱりやることにした可能性が高い。俺もこの誰も見てないブログだけじゃなく、OMDSのツイッターにコメントしたし、ショウルームで要望伝えた方もいるようだし、価格コムでも不満爆発してるし、5chやデジカメインフォは見てないと思うが、文句は言ってみるもんだと思った。
 
*さらに追記
8月29日にアップデートはあったが.1のバージョンアップ。2.0ではなかった。予告通りの内容で、予告以上ではなかった。うーん。

なぜフィルムカメラなのか

満州トラック
 前に書いたように、フィルムならではの味などないと思っている。画質シミュレーションはデジタルでもできる。古いレンズには味という名の収差があるが、それならレンズだけデジカメで使えばいい。高価で不便なフィルムを使う必要はない。そしてそもそも、その手の「味」に興味がない。レンズは水のように無味であるべきで、画質はニュートラルで被写体に忠実であればいい。ロウ現像であれこれいじるのも好きじゃない。
 1枚1枚大事に撮れるという人もいるが、「数を撮れ」という教えに反する。デジカメは失敗しないのでおもしろくないなどというマゾでもない。
 じゃあなんなのか。フィルムカメラが好きなのだ。機械ものとして。見るのも操作するのも好きだ。そして何より買うのが好きだ。フィルムカメラを選択肢に入れると、購入対象は膨大になる。その中から魅力的なものを選び、コンディションのいいものを探し、財布と相談し、買うのが楽しいのだ。
 私はバス釣りの道具を持っているが、釣りには行っていない。高校を卒業してからは数回行っただけだ。でも釣具が好きで、釣具屋にはずっと通い、ちびちびルアーを買い続けていた。釣りよりも釣具が好きなのだ。それと似ている。
 デジタルがフィルムを追い越して、もうフィルムには用がないと思い、一度すべて手放した。なのに最近やっぱり好きだと気づき、立て続けに3台買った。
 すべては満州トラックに始まる。のりものこれくしょんという食玩に満州のトラックがラインナップされた。ぎょうざの満州大好きなので、ぜひとも欲しい。だが売っているのを見たことがなく、欲しい車種に当たるかもわからない。確実に手に入れるには、ヤフオクかメルカリだ。というわけで久しぶりにヤフオクにアクセスし、メルカリに新規登録した。で、ちょいとカメラを検索してみると、これが楽しい。
 まだ欲しい機種はある。コニカIIIA、コニカ パールII、オリンパスフレックス、ライカIIIgなどなど。でももう、おしまい。これ以上買わない。フィルムはコストと手間がかかりすぎる。それにこんなにフィルムが売ってないとは思わなかった。ちょいちょい「フィルムカメラ始めました」とか記事を見かけるが、やめといた方がいい。メリットないし、一部で言われてるほどフィルムは流行ってないよ。デジカメ超便利。