トップウォーター書斎派


 46年前、中学のときに則弘祐・山田周治『ブラックバス釣りの楽しみ方』を読んで思想にかぶれてトッパーになった。高校卒業で釣りをやめて、去年再開した。
 俺はなんにも変わってない。けどYouTubeとか見てるとトップウォーター界隈には変化があるようだ。
 則氏はアンバサダーを使っていたが、それは最高のリールだったから。後に優れたリールが出ても、おそらくデザインが気に入らなかったり、使い慣れたものに愛着があったりで、アンバサダーを使い続けたのだと思う。ロッドも同様、彼にとって最高のものを使っていて、懐古趣味はなかったはず。
 それがなんか、リールは丸形でなければならず、オフセットハンドルの昔っぽいロッドで、ルアーはインディーメーカーの大きいのを使うのが流儀みたいになっている。なんだろうなと思っていたが、雑誌『トップ堂』の古本を買って、ああこれかと思った。こういう世界もそれはそれだ。
 こないだYouTubeで新しく買ったワームを試すという動画を見た。浮かせていると、ブルーギルが寄ってきてつつく。ハードルアーだとまずないことだ。
 ハードルアーは動きを加えることによって何者かになる。自分が加えた動きを目で見ながら釣るのは楽しいよと、則氏が言ってたのはそういうことだと思う。道具もそれに最適なものを選んでいたはず。それこそがスタイルで、見た目の問題じゃなかったのでは。
 楽しみ方は人それぞれだけど、なんか違和感を感じたので。

バルサ50 Mamb-O

mambo
 スイッシャーはいろいろ試して、ニップアイディディーとスパターバズの2種類あればいいという結論に落ち着いた。が、1997年に出た『トップウォーターゲームの真実』というムックで則弘祐氏がマンボーに触れており、自信作ということでずっと気になっていた。

ウチはトップウォーターだけは絶対負けないって自信持ってますよ。だけはっていうと社長それはないでしょって怒られるけど、ほら、ほら、ほらね(水槽で新作のマンボーを動かせながら)、こんないい動きをするプラグは他にはないよ

 そこへ先日YouTubeでそのいい動きを見てしまい、これはやっぱり欲しいとヤフオクで未使用品を落札した。
 同封のカタログに「天性のダンサー」とあるように、首振りがうまい。スイッシャーは線で使うものだが、これは点で使える。見た目どおり変なルアー。ウッドボディーにグラスアイは風格があり、持っていてうれしい。当時の定価4500円も納得のデキ。

タックル

tackle
 リールはシマノ 23 アンタレスDCMD HG LEFTを使っている。昔買った初期カルカッタを引っ張り出して久々に釣りに復帰してみれば、整備不良のせいもあるのか全然飛ばなかったので、最新最高のモデルなら飛ぶだろうと購入した。結果満足している。ロープロファイルのリールはトッパーらしくない気もするが、則弘祐氏もムックで当時最新のリールを紹介していたのでいいだろう。ヒロ内藤氏もスティーズを使っている。
 ロッドはスミス スーパーストライクGO-102。45年前、中高生の頃使っていたものを去年買い直した。カーボンスローテーパーの6.5フィート2ピース。半透明ワインレッドのブランクスがきれい。
 ラインはサンヨーナイロン アプロード GT-R ウルトラ16lbs。
 ポップRなど小型ルアーは上記の組み合わせでは投げられないので、ゼブコ オメガ プロ ZO20PROと、ダイワ 21 ブレイゾン C64L-2・BFを使う。スピニングリールの操作感が嫌いで、スピンキャストにした。スピンキャストではファストテーパーのロッドが投げやすいそうなので、普通のベイトフィネスロッドを選んでいる。ラインはGT-R ウルトラ10lbs。こちらはあくまでサブシステム。

ゲーリーヤマモト スゴイペンシル No.2

sugoi pencil
 最近存在を知って、ヤフオクで検索してみればハゼみたいなカラーがある。情報がないのでカラー名が何かわからないが、淡水ハゼの代表格はヨシノボリ。ヨシノボリ昔飼ってた。大好き。欲しい。というわけで落札してしまった。けど、こんなでっかい淡水ハゼいないから雷魚? かっこいいからなんでもいいや。フックは前のオーナーによって赤に替えられている。
 No.2とは何か。サイズの表記でNo.1もあるのかと思ったら、先に出たスゴイクイックBに対してふたつ目のペンシルベイトということらしい。
 発売当時メガバス ジャイアントドッグXのパクリと言われたそうで、並べてみた。手前がスゴイペンシルで奥がジャイアントドッグX。リアルな造形、細い尾、この写真じゃわからないが背中の盛り上がり具合とか似てる。ジャイアントドッグXは評判いいんだけど、個人的には使いどころがない。ほかのペンシルベイトと比べて動かしづらく、このルアーでないとっていう特色が薄い。
 スゴイペンシルは左右幅の広いスライドにワンノッカーラトルが響いてアピールが強そう。ジャイアントドッグXより若干大きく重いのもいい(ドッグXディアマンテはジャイアントに輪を掛けて動かしづらいのでナシ)。初陣でヒットはなかったものの、一度足元までバスが追ってきた。これはいけそう。

ダイワの変なルアー

daiwa lures
 ダイワは普通にエラがモールドされたリアルフィニッシュのルアーをラインナップしてるのだけど、ときどき変なのを出す。
 上は普通のフロッグだが、カラー名が「スイカ」。確かにスイカ模様なのだが、なぜカエルがスイカ。
 下は昔からあるクランクベイト、ピーナッツのバリエーションで、デカピーナッツII SSR ブレードチューン。お腹にブレード、尻にプロペラが付き、フックはバーブレスのダブル。カラー名は「D伯爵」。ネコ目でキバが描いてあるので、ドラキュラと思われるが配色が謎。なんか元ネタがあるんだろうか。ナマズ用だがダイワのビデオではバス釣ってる。これは生産終了のようだ。
 ナマズ用ではふく鯰というのもある。ノイジータイプでブレード付。フグのことを縁起担ぎでふくとも言い、膨らんだフォルムでトラフグ模様がラインナップされてる。妙なのが淡水用なのにフグだけじゃなく、ゴンズイ、ヒカリキンメダイ、デメニギス、カツオノエボシもあり、熱帯魚のコリドラスパンダ、トランスルーセントグラスキャット、さらには果物のイチゴ、もも、みかんまである。
 楽しいので、こういうルアーをもっと出してほしい。

釣りとドラクエ

fishing tackle
 Switch版のドラクエ3をまた始めた。おもしろい。ドラクエは親切設計だけど、最近のもののようにすいすいとはいかない。レベル上げが必要になる。先に進むため計画を立てて、レベルを上げ、アイテムを揃える。地味な作業だけどこれが楽しい。
 俺にとって釣りも一緒で、釣具を揃え、準備するのが楽しい。中学生のときに使っていた竿がまだ売ってたのでそれを買い、リールは最新のものを買った。ボートに乗らず岸から釣るのをオカッパリといい、普通オカッパリではそのとき使うルアーだけ厳選してヒップバッグなんかに入れて行くらしいが、俺はアタッシュケースのようなタックルボックスに厳選55個を詰めていて、全部持って行く。この55個を揃えるのが楽しい。っていうかもう揃っちゃったので、楽しかった。あとは釣具のチョイスが正しかったことを確認するために釣りに行く。あー、この釣具、やっぱええわー、って感じ。

紙のカタログ

 シマノの釣具カタログを買った。410ページオールカラーで165円。以前から商品情報はウェブで見ていたが、紙があればパラパラめくって一覧できていいのになと思っていた。
 買ってみて、確かに探してもいないものを発見できた。それは良かった。
 ただ、当然ながら検索性は低く、目的がある場合はウェブの方が早く情報にたどり着く。紙の方は数多い製品をぎゅうぎゅうに詰め込んでいるので、ひとつひとつの情報はウェブより少ない。思ったほど良くない。
 ぎゅうぎゅうなので字が小さく、メガネを外して至近距離で見る。すると、写真の網点が見える。ウェブより高解像なのに、低質に見える。
 昔は雑誌の仕事をやっていて紙にこだわりがあったのだけど、もう紙に違和感覚えるようになってるんだなと、変な感慨のようなものがあった。