いつもの調子はずれ

トロピカルダンディー(紙ジャケット仕様) 3年前からちょっと何かに希望を見出しては失うということを何度か繰り返して、若干おかしくなった。
 新しく起きることは、新しいストレスになる可能性がある。もうこれ以上のストレスはカンベンってことになってるらしく、前もって過剰に緊張する。そういう考え自体やめときゃいいのに、なってしまう。
 定例でやってる仕事は既知のことだから問題ないが、それ以外がしんどい。遊びでも待ち合わせをするのに緊張する。ひどいときはメールが来るのも、電話が鳴るのも、玄関の向こうで人の声がするのもよくないことの予兆に思える。手が震えたりする。そんで病院行って薬もらってる。
 ここまで来ちゃったのは原因がある。自分だ。手を打つのが遅れた。突き詰めれば性格が悪いから失敗している。この客観的に正しいと思える原因がまたしんどく、自覚したところで簡単に正せるものでもない。まして状態が悪いときは性格がひねくれがちで、よくするのは難しい。
 不況だから新卒でも転職でも何十社と面接受けて普通らしいが、日本の奇っ怪な就活の中、そんだけ否定されまくったら壊れて当たり前だと思う。年間3万人が自殺してるのは凄いけど、これで済んでてマシなのかもしれない。
 引き籠もりに対して、人と関わることを恐れていたら何も進まないとか言うけども、彼らの多くはストレスにさらされた結果そうなったんだろうから、マッチョに正論ぶってもなと親近感持ったりもする。
 ここ数日、救いがあって、でもまたそこから落ちて。頭に浮かぶのは細野さんの『漂流記』の歌詞、「どんなにうまくやっても いつもの調子はずれ」。
 客観的に考えればよくある何でもないことで、深く考えないよう努めて、細野さん聴いてたら、逡巡してるけど洒落て軽妙な歌詞で多少やけくそな元気が出てきた。

ニコン1がかわいい

Nikon デジタル一眼カメラ Nikon 1 (ニコンワン) V1 (ブイワン) 薄型レンズキット ブラックN1 V1ULK BKニコン1がかわいくてかわいくて、実際触ったらやっぱりとてもかわいかった。
 デザイナーに仕事させてる感じがする。日本有数のメーカーは日本有数のデザイナーを使ってるはずだが、いいと思えるものはたまにしか出てこない。マーケティングやらなんやら横から茶々が入って仕事させてもらえないんだろう。っていうか、そういう体勢が染みついていて、その枠の中でしか考えられなくなっているのかもしれない。

 こんなにかわいいのにニコン1のデザインは評判が悪いようだ。
 特にV1のファインダー部分の出っ張り。ここがチャームポイントなんだけどなあ。「どうにかならないの?」って茶々が入るとわかっていても、あえてシンプルに徹して、ブロックみたいなかわいさが出てる。なのに、わかってもらえない。残念。

 ニコンはFで亀倉雄策、F3でジウジアーロを起用し、デザインに力を入れてるようでいて、外側のお化粧としか考えてない節があった。ニコン1では珍しくデザインを機能とみなしている。新世代のカメラというコンセプトをかたちにして、「ニコンらしくない」という反応が出るのは成功した証拠ともいえる。この成功を厭がる人がいるのもしょうがないが。

 昔リコーが黒川雅之デザインのカプリオG3を出したときも受けが悪かった。まあ、これは売れないだろうと思ったし、その後GRDやCXで頑張って、受けてもいるんでよかった。

 フジのX100は自分の用途からすると非常に魅力的なんだけど、デザインが我慢ならない。フィルムのレンジファインダーと比べても悪い方だろう。ライカならフィルムカメラと操作性を統一することに意味もあるだろうが、突然出てきた新製品がこんな外観と操作性になる必然性がない。パチモン臭いレトロ風味にしてしまうと、せっかくの光学ファインダーの意味まで、実用じゃなくレトロ趣味に位置づけされてしまう。
 ところがこれが受けてるらしい。予想以上に女性ユーザーが多いらしい。
 ペンタックスQのデザインは、トイカメ風を意識したものだと思う。PEN EPシリーズのPEN F風もそうだが、なんとか風ってどうなんだ。ビレバンのセンスじゃないの。

 「デザインは好みの問題」とよく聞く。「いいけど好きじゃない」「ダメだけど好き」ってこともあるし、確かに好き嫌いは人からとやかく言われることじゃない。でも結構「売れるもの=良いもの」までいってしまってる。メーカーは売れなきゃ困るから、お客様の方が強い。それで、良かろうが悪かろうが大多数に受けて儲かる路線をとった結果、テレビ番組は今みたいになっちゃって、いきすぎた結果逆にそっぽ向かれたりもしてるわけで。ジャンル違うけど。
 送り手の「受ければいい」って態度は、客本位のようで客をバカにしてる。お客様は威張るより、専門家に矜持を持たせといた方が得すると思う。みんなの意見聞いて怒られないよう作ったら、おもしろいものになるわけない。

 そんでニコン1買うかとなると、中途半端だしお金あっても買わないけど、今後の展開には期待してるんで、これからも茶々に負けず頑張り続けてほしい。スペックやシステムが自分の用途に合って、欲しいと思ったときも、かわいく(またはかっこよく)あってほしい。

WordPressに替えた

■MTからWordPressに替えた。なんかいろいろわからん。デザインも追い追いいじっていくということで。マイコン難しい。これを区切りに淡々と日記書きたい。
 下は画像貼るテスト。拾いもの。

今日もクラウド

■iCloudが始まったり、ギズモードの記事がホッテントリに入ってたりで、昨日に続いてクラウドの話。

 上の記事でベストに選ばれてるSugarSyncは、確かにひととおりの機能が揃ってて便利なんだけど、エクスポゼでウィンドウが表示されなかったり、ちょっと妙。ウチの環境だけかもしれないが挙動もちょっと妙。
 なのでメインはDropbox。機能少ないぶんわかりやすい。iPhoneアプリのGoodReaderGTドキュメントなどと連携できるのもポイント高い。
 
 地震のあと大事なファイルはクラウドに上げとかなきゃなと思った。うちデスクトップだし持って逃げるのは厳しい。
 何が大事かとなると過去に作ったものより、これからも使うもので、時間かけて育てたようなファイルだなと。
 具体的には、住所録、 ATOKの辞書、ノート類とか。住所録はiCloudで済んだり、この辺はそれ用のサービスが用意されてたりする。
 それから、テンプレートや設定ファイル。特にInDesignは文字組やら合成フォントやら設定項目が多いから、テンプレートなくしたらイチから作るの大変。テンプレートがクラウド上にあれば、別のマシンから作業するのも楽。
 プレファレンスは複数のマシンで同期させるとマズい場合が多い。なので単なるバックアップを自分でやらなきゃなんないんで面倒。同期させるならSugarSyncを使う。
 何もかも全部まるごと同期できればいいんだけども。タイムマシンのハードディスクをとっさに引っこ抜いて持って逃げるのがわりと現実的なのかな。うちタイムマシン使ってないんだが。

iPhoneで動画見るのにNドライブが便利だった

Nドライブは無料で30GB使えるオンラインストレージ。Mac、Windows、iPhone、アンドロイド、iPad用のアプリが用意されてる。
 そんでスマートフォン用のアプリに動画再生機能があって、mp4のほかに、wmv、avi、flv、mov、mkvなどに対応してるんですよ。サーバ側で変換してストリーム再生するんだけど、1GB以上のムービーでも変換は数秒で、3G回線でも充分いけた。手持ちの動画をそのままアップロードしとくだけで済んで、iPhoneの容量も食わない。あまりに手軽なんで、意味もなく動画上げたり見たりした。バックアップにもなるしね。

*追記:しばらくエラーが出て使えなかったが、ここにあるようにログインし直したらまた見られるようになった。どっちにしろ再ログインが必要なんて、ちょっとヘボい気がしますな。

仮面ライダーフォーゼ

■オーズに続いてフォーゼもおもしろい。
 オーズのラスト、“ひとりで世界を救おうなんて思わず人と手を繋ぐ”に続き、フォーゼはベルトの本来の持ち主が病弱だから手伝うって始まり方してる。たまたまだろうけど。お前ができないことを俺が、俺ができないことをお前が。最初から共闘態勢。
 舞台は今のところ学園関係だけ(あと宇宙)。ダブルもご町内の平和を守るポワトリンみたいなライダーだったが、さらにスケールが小さい。世界の平和とかデカいこと言わず、自分が今いる場所を改善しようとしてる。名乗りは「俺はこの学校の生徒全員と友達になる男」で、スクールカーストを崩していく。
 
 『Dr.スランプ』のスッパマンってキャラは、スーパーマンのパロディなんだけどセコくてかっこ悪い。こいつのイヤな奴っぷりがちょっとシャレになってなくて、俺は笑えなかったんですね。あと逆にオボッチャマンのいい子ちゃんっぷりが好きじゃなかった。個人的にはイヤなんだけど、ロボットも怪獣もイヤな奴もいい子ちゃんも、みんな同じギャグ世界にいるペンギン村は天国みたいだなと思った。
 フォーゼの弦ちゃんは「お前は気にくわねえ。だからダチになる」つって賢吾の仲間になり、オープニングでネタバレしてるとおり、どうしたっていい奴とは思えないキングとも友だちになるんだろうから、この先楽しみ。
 
 そんで重要なことだけど、ヒロインのユウキが可愛い! キャラが、動きが! この学校にいたら、はやぶさくん見て完全に恋に落ちてる。制服ニーソが素晴らしい。ゴス子の野座間友子もこのような美形であるのに吹っ切れたいいキャラ。クイーンこと美羽は好みではないけど太腿やらおなかやらがチラチラするのはとても良いこと。劇場版に出てくる女ライダーなでしこは真野恵里菜だそうで、もうえらいリッチなことになってますな。

オーズ最終回

■オーズよかったですね。
 敵は人間の欲望を食らう怪物、グリード。
 対して主人公・火野映司は欲望がない男。人のためだけに動く。
 ヒーローものの主人公がエゴを捨て、命を捨て、人間を捨てて、人々のために孤独な戦いを続けるのは当たり前。でもオーズではそれを異常なこととして扱う面があった。
 欲がないはずの映司が見つけた望みは「どこまでも届く自分の腕」。過去に海外を回っているあいだ、紛争地帯で子どもを助けられなかったことをずっと悔やんでる。オーズになったおかげで人を救う力が手に入ったという。
 その正義の力がまた暴走の危険をはらんでるし、映司はグリード化もする。そんで怪物になってまで戦うことがアニメのデビルマンみたいに美化されてなくて、どっちかっていうと病気みたいに描かれてた。
 
 グリードは単なるメダルの固まりで命がない。味覚もない。世界を「味わう」ことができない。アンクは命を欲して刑事さんの身体を乗っとり、一度は映司とも対立する。最後は共闘の末、単に消滅するんじゃなく“死ねた”ことに満足して消える。
 ヒーローもので戦う連中は重大な使命を遂行するために全てを捨てたマシーンであり、そこにシビれるってことになってたのに、彼ら自身の生きる喜びみたいのが大事にされてる。
 そんで映司は「ひとりで背負い込むな」と言われ、どこまでも届く“自分の”腕なんて大それた欲じゃなく、人と手を繋ぐことでその力を得られると知り、文字どおり手をつないでめでたし!
 当初否定的に扱われた人間の欲望。途中で出てきた夢と欲望の違い。終盤映司に求められる欲。わりとややこしいテーマがきれいにまとまった。かなり異色のヒーローっていうか、これまでのヒーローものが見ないことにしてた部分を扱ってた。
 
 手を繋ぐといえば比奈ちゃんね。孤独な戦いに突入しようとする映司に唯一手を差し伸べる。暴走から引き戻す。恋愛ファクターなしでヒロインとしての存在感を強烈に発揮して素晴らしかった。
 メズール人間体、未来穂香のセーラー服とニーソも大変に素晴らしい!
 後藤さん伊達さんのホモホモしいふたりもよかった。平成ライダーはライダー同士がライバル関係だったりして共闘しないのが不満だけど、オーズは共闘しまくりで嬉しい。
 まあでもやっぱり映司の造形が凄かったですね。ああいう天然っぽく無欲で、でも頭が回るっていうキャラを描ききったシナリオライターと役者の力。アンクのキャラも大変によかった。最後の共闘はほんとよかった。