■武富健治『掃除当番』読んだ。
あとがきが最高。もちろんマンガ自体も面白い。けど、拙い部分もあるし、もやもやした読後感が残る。それが、あとがきを読めばスカッと解消。作者の意図するところを知って作品への理解が深まるからじゃない。「ああ、こういう人が、こう考えて描いてたのか。だからこんなマンガなのか」と腑に落ちる。
前半4本は、大雑把には『鈴木先生』と同じ路線で、主人公が学生。読みながら「こういうマンガってありそうでなかったよな」と思う。絵柄が違えばあるかもしれない。これ、学生向けじゃないんだ。学生の機微を描いてるのに学生ウケしない表現。というよりハナから学生を直接のターゲットにしてない。じゃあ何なのか。もやもやが残る。
で、あとがき。
<略>約十年の間に発表した漫画作品の中でも、特に「本道」としてきた少女日常短編です。本道というのはつまり、「自らが得意とし」「他にはこれまであまり見られず」「にもかかわらず、是非とも存在した方がよい」と自ら強く思える作風ということです。
是非とも存在した方がよい、少女日常短編。納得しました!
それにしても絵柄と大げさな表情は、ぱっと見恐怖漫画。いや、この独特の緊張感とセーラー服の取り合わせは早見純だ。と思ったら、5本目の『優』が変態っぽい話で……。
『鈴木先生』は大人の主人公を据えたおかげで、この人の良い部分が咀嚼しやすくなってるんだなあと思った。