最近読んだの

それでも、日本人は「戦争」を選んだ加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』。日清戦争から太平洋戦争まで、どういう経緯で戦争になって、それについて当時の人間がどう思ってたか、高校生向けの講義をまとめたもの。
 表紙のイメージと「高校生向け」でもって反戦平和っぽい印象を受けるけど、内容はそうでもなく淡々と多方面から追ってる。わかりやすくて面白かった。
 んで、文章がかっこいい。キリッとしてる。気持ちいい。
 
ケッチン 1 (ヤングマガジンコミックス)きらたかし『ケッチン』1巻。バイクをからめた青春もの。主人公は若いこともあって『赤灯えれじい』よりもヘタレ。バイクと女の子の力で変わっていく話のようで、現段階ではちょっと不安もあるけど、この人のことだから大丈夫でしょう。
 バイクに興味持ったことないから、こういう青春もなかったんだけど、そんな俺にも響きますな。うっかり「青春」とか言っちゃってるが、青春ってわりと死語。そんでこれはやっぱ青春ものですよ。ひりひりちらちらする。
 状況ごと描く感じがやっぱ凄い。主人公が話を進めるために状況が付随するんじゃなくて、状況の中に主人公がいる。赤灯えれじいは職場の描写がヤケにリアルだったけど、ヘタレの主人公が社会の中に居場所を見付ける話だったから、職場を細かく描かなきゃいけなかったんだろう。「俺様の自己実現」なら、俺様のキャラを描けば状況がついてくるけど、その逆みたいな。今回は地方の高校生だから、地方の情景ごと描いてて、なんか映画っぽくていいですな。
 
あねどきっ 1 (ジャンプコミックス)河下水希『あねどきっ』1巻。突然美少女が同居するパターン。でも主人公が中学生で、女の子が高校生。ちょっと大人。身長も乳もでかい。となると、ルナ先生に近いとこもあって、好むところです。
 普通なら性悪キャラの桜井さんが、お姉さんの影に隠れてかわいそうで、かわいくなっちゃってるのも面白い。

も〜れつバンビ

も~れつバンビ 1 (ヤングマガジンコミックス)柏木ハルコ『も〜れつバンビ』1巻
 闘牛ってまたトレンドもくそもなく突拍子もないネタで何やるんだろうと思ったら。キャラごとにモンスターやらメカやらを持ってて、ライバルのそれと闘わすっていう、少年マンガではよくあるバトルもののフォーマット。それを大人向けにして、馴染みはないけど新鮮な闘牛のウンチク的な要素も絡め、コメディーっぽくしてと、意外にキャッチーなマンガだった。対人関係と、飼い主と牛の関係。いろんな要素が絡んで楽しい。次巻が早く読みたい。

大人の科学・二眼レフ

大人の科学マガジン Vol.25(二眼レフカメラ) (Gakken Mook)大人の科学の二眼レフ買うた。これはかなりのキワモノ。下の写真を見てのとおり、極めて怪しい写り。レンズがプラスチック単玉だから一応シャープに写るのは中心部のみ。フィルム給走系は既存の安カメラを流用してるのかと思ったらそれ以下。巻き止めも二重露光防止機構もない。ピントノブを回してるつもりでフィルムをぐるぐる巻き上げちゃうミスを2回もやってしまった。ファインダーは見づらいしスクリーンはたわんでるし。不便で笑っちゃう。
 露出はF11、1/150秒固定。絞り板というパーツを外すと、シャープさは落ちるが暗所には強くなる。この状態のF値は不明。どうせちゃんと写らないなら、とことん怪しくていいやということで、絞り板は取り付けなかった。
 組み立てるのも楽しくて、本もなかなかおもろい。オシャレ寄りの部分は若干むかつくけど。あと、なんでカメラ知らないライターって“ぼける”を“ぼやける”って言い換えるんだろう。“ピンぼやけ”って言わないのに。
 それはともかく、35ミリの二眼レフ自体わりと珍しい。小っこくて可愛い。二眼レフも使ってみたいけど、ウチのフィルムスキャナは中判使えないし、今さらフィルムカメラ増やすのもな、と思ってたんでこれはホントにいいオモチャ。
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 以下、一眼レフ(OM-4+50/2マクロ)と撮り比べてみた。

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さべちん

さべちん (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)SABE『さべちん』
 追悼作品集。
 チンパンジーのイクとこ、後をひくほどおかしい。『ゆらさん』また読めて嬉しい。とか感想書いても複雑。
 だから書かないつもりだったけど、やっぱり書いといた方がいい気がした。
 単行本リストと大野ヒロフミの文章、担当者のコメントも付いてる。

ブラジルフェスティバル

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ブラジルフェスティバル今年も行ってきた。上はカポエイラの方々。観客が多くて闘ってる人があんまり見えないんだけど、音がいいんすよ。単純なコーラスが延々続くなか、断続的に言葉を乗っけていく。ポル語わかんないけど応援的なことなのかな。左側の人がその役やってて声も顔も良かった。
 

 
 ソーセージの屋台で突如サンバの演奏が始まれば、人が集まって歌い踊る。こういうの日本だとちょっと考えられない。羨ましい。
 もうちょっと様子が良くわかるのも撮れたんだけど、一般のお客さんの顔がアップで映っちゃってて動画でバッチリさらすのもアレなんで。揺れる腰を後ろからご鑑賞ください。
 最初は外で演奏してたんだけどダメって言われて、だからテントの中でやってるが、それでも怒られたからもうやめるしかない、みたいなことをこのあと言ってた。これ、なんとかなんないんすかねえ。踊れない俺も、見て聴いてるだけで楽しいのになあ。

ディケイド

■他に話すことがあるだろう日に、いい歳をしてこんなこと熱心に語るのもどうかと思うけどディケイド。「結末は劇場版で」だってさ! 100万歩譲ってそれがアリだとしても、なにひとついいところのない最終回だったなあ。みじんもラストの体裁を取ってないし、劇場版への期待が膨らむ引きにもなってない。これまでの話を台無しにして、ディエンドとの関係は一応収めたけど笑うほど陳腐なセリフ。映画は見ないよレンタルもしない。
 平成ライダー一巡までは楽しく見てたんすよ。オリジナルのパラレルワールドみたいのが意外と楽しい。世界の破壊者とか言いながらエピソードごとのラストバトルは勧善懲悪っぽいのが良かったし、ライダーの共闘も嬉しかった。けど、映画絡みでアポロガイストが出てきたへんから、しょっぱくなっちゃった。大ショッカーの名に反して戦いが小規模だし、話進まないし。
 シリーズ最高のぐだぐだ加減からして、ラストは映画って最初から決まってたとは思えない。予算も含めてしがらみは多いんだろうけど、もうちょっとちゃんとしてほしかったなあ。
 シンケンジャーはオモロいね。すうちゃん可愛い。
 
■なんかモンハンもろた。ややこしいすね。取りあえずソロプレイ中。女キャラのがっちり体型は好み。おかっぱにして下半身は防具付けずに走り回ってる。
 
俺年表だいぶ埋めた。

米谷美久氏・逝去

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オリンパス「ペン」「OM」「XA」の開発者、米谷美久氏が逝去
 
「オリンパス・ペン」の挑戦 (クラシックカメラ選書)■“まいたによしひさ”と読む。
 上はウチのカメラ棚。OM-1N、2、4Ti、PEN S、EE-3、XA2、米谷作品が並んでる(ちょっと関係ないのも混じってるが)。XA2は高校のときバイトして買った初めてのカメラ。
 米谷氏のポリシーは、既にあるならそれを使えばいいから、世の中にないものを作る、というもので、新機軸を連発した。
 あと、自分で使いたいものを作ってる感じがする。逆に言うと、自分で使う気にならないものを作らない。ここはこうなってるべきだとか、主張も強い。「俺はこれが正しいと思うから納得したヤツは買え」的な。マーケティングでみんなの意見を聞いた結果、みんなそこそこ納得するけどベストだと思ってる人がひとりもいないみたいな最近の製品の対極。日本のいち会社員でこれだけ“俺”を出した人もいないんじゃないか。
 OM-1は当初M-1という商品名で発売されたが、Mシリーズを出してるライカからクレームが来て、オリンパスのOが付いた。で、Mの方はというと米谷のM。公式には別の由来が説明されるらしいが、本人も自分のイニシャルだと言ってる。
 先端がダイヤモンドのペン(筆記具の方)を持ち歩いていて、サインを頼むと裏蓋のメモホルダーとかに書いてくれたそうだ。かっこいい。サインをねだられる開発者も珍しい。
 PEN(カメラの方)のデザインは当初、外部のインダストリアルデザイナーに頼んでいた。が、米谷氏はどうも気に入らない。上司に「これヤなんすけど」的な相談をすると「じゃあ、お前やれば」と言われて、以降デザインも自分でやってる。駆け出しの社員が先生のデザインにダメ出しして、ちゃんと結果出すんだから凄い。
 ヒーローでした。