シビル・ウォー アメリカ最後の日

 アマプラで観た。SF的にアメリカ内戦を描いた映画かと思ってたら全然違った。そんで凄くおもしろかった。
 映画の中の戦争がなんなのかわからない。まあ分断とかそうなんだろうけど、アメリカ事情知らないし。
 俺にとってよそごとの戦争は、登場人物にとってもなかばよそごとだ。ジャーナリストは状況を外から眺め、与しない。冒頭でベテランカメラマンはここぞというシーンで当然撮るのだが、新人カメラマンは状況に惑わされて撮れない。ベテランの方は状況に物理的にというか距離的にというか飛び込んでいるが、状況に与してない、ある意味見ていないから撮れる。新人は見てしまっているから撮れない。ああ、これは状況への距離感とコミットの仕方についての映画なんだなと思った。
 異常な状況下を旅するロードムービーになり、最後一番狂ってる戦場に着く。ちょっと地獄の黙示録みたいだと思った。
 カメラオタク的には出てくるカメラも気になるところ。ベテランはαで、新人は父からもらったニコンFE。フィルムで撮ってその場で現像しiPhoneに読み込むという変なことをしている。フィルムカメラを提げてるのは、被写体に対してまだ真面目になれてないからではないか、途中でベテランのαに新人が持ち替えたりするかと思ったらそんなことなかった。単に写真がモノクロになるので映画内で都合がいいとかいろいろあるのかもしれない。父は農場にいて戦争のことは気にしていないという。状況に与していない、見ていない人のカメラではある。
 こういう映画を作って商売として成り立っちゃうのが凄いなと思った。

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