MOTHER3終わった

■意欲作だった。意欲がまるで、若者のそれみたいだった。なにかやってやろう、言ってやろう、かましてやろうみたいな。これまでのMOTHERは結構オーソドックスなRPGだったし、テーマみたいなものがよくわからんかった。糸井さんらしくはあっても、そんなに濃くなかった。今回、結局どういうことなのかはともかく、テーマの存在が濃厚だった。こういうのが見たかった。満足度高かったっす。
 
 以下、ネタバレ。
 よくわかんないし、まとまんないから思い付くまま。
 


 お金の概念もない、のんびり平和な村が舞台。「まさかロハスか?」と不安に。
 敵は電気製品とお金を持ち込む。理想化した想像上の幸せな過去を、ただれた現代と対置させるってどうなんだ? どうオチを付けるんだ? と思ってたら、のんびり平和な村は、実際に理想化した想像の産物だった。ひねるなあ。
 
 地面に眠る竜ってのは普通に自然・カオスの象徴ですわな。島にもともといた人たちは、最初は竜と仲良しだったけど、うまくいかなくなって封印し、しまいに竜の復活を恐れて島を出ていった。つまり、自然と共生してたが、やがて人(文明)が押さえ込み、でもいつかしっぺ返しが来るんじゃないかと恐れてたと。やっぱりロハスげではある。
 
 急ごしらえの理想世界も、結局ただれた文明にされちゃう。それは悪い人がやったんだけども、たまたまその人だっただけかもしれない。悪の大魔王が全部の元凶で、そいつさえ倒せばいいってんじゃなく。きっかけが何で、時期がいつだろうと、そうなっちゃう可能性があったのかも。
 いきなり母ちゃん死んじゃって驚いたが、あれも直接悪いヤツが殺したんじゃない。言わば巡り合わせでそうなった。兄ちゃん殺すのも巡り合わせでそうなった。兄ちゃん悪くないし、自分も悪くない。
 極端に言えば、不幸に理由がなく、なんかそうなっちゃうものとしてある。ただれて滅びた文明も、なんかそうなっちゃったものだ。
 
 だから文明はダメってことじゃ当然なく、答が出てない。
 絵空事ののんびり村とハリボテの都会は両極端で、その間のどっか別の道を選べばいいのかもしれない。
 
 針を抜く人の心が竜に写るってのは、「これから先の世界がどうなるかはあなた次第ですよ」で。だから「END?」で。『YOU』のラストで「えー、今週も結論は出ないまま終わりたいと思います」みたいな。坂本龍一の曲で大友克洋の絵みたいな。要するに、幸せのかたちはお前が考えろと。そんで、どうすればいいのか具体的な方法はともかく、心に善があればいいと。それでもやっぱりまた不幸な結果に、なんかなっちゃうかもしんなくて「END?」。
 んー。違うような気もしてきた。そんな単純じゃないのか?
 
 MOTHERはB級映画みたいなとこあったけど、今回はもう昔のSFみたい。2DのRPGは俯瞰視点だけど、これ、カメラ位置が基本目の高さの映画にしたら、結構アレな話だよなあ。終わった世界をもういっぺんちゃんと終わらせるなんて。セカンドインパクト後にサードインパクト起こすみたいな。っていうか諸星大二郎の『暗黒神話』。
 
 世界を救うのはRPGじゃ普通のことだけども、7章入って話大きくなったとき不満だったんだよな。なんで世界かなー、と。別に話大きくしなくていいじゃん、みたいな。
 今思ったけど、「RPG=世界を救う」のフォーマットに対して、別のやり方をぶつけたかったのかな。
 
 6章までもう1回やる。

One thought on “MOTHER3終わった

  1. MOTHER3のEND

    ■END?のあと十字キー押すとENDに行けるの知らんかった。ABLRはガチャガチャやったけど十字かー。  で見たけども、一旦切った意味はやっぱり大きい感じ。って…

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