そば屋のマンガ

■そば屋で40巻まで読んだ『代紋TAKE2』、残りの22冊を漫画喫茶で読み終わった。いやあ、面白かった。ラストも満足しましたよ。
 今、そば屋では『ピアノの森』を読んでる。途中からモーニングに引っ越してきたんで、よくわからんままなんとなく読んでたが、こんな面白いマンガだったのか。マンガらしくムチャで、ベタとも言えるがとにかくおもろい。
 
■新宿ディスクユニオンでトン・ゼーのDVDが1000円だったから買った。
 トン・ゼーは’00年と’03年のCDを持ってる。とにかく変。どういうふうに変なのかもよく理解できない独特の音。天然なのかもしれない。
 CDだと変な曲が、DVDのギター弾き語りだと普通にいい曲だったりした。
 そもそもどんな人かよく知らないんだが、こういう人らしい。トロピカリズモの重要人物だが、トロピカリズモの理念を体現しすぎて成功しなかった、ともなんかで読んだ。

カラスヤサトシ

■『まんがくらぶ』で先月から、カラスヤサトシ『おのぼり物語』が始まった。あんまりうまくないけど、最近ないペーソスみたいなのがあって面白い。
 実体験を描いた作品。マンガに専念するため会社辞めたら、雑誌が休刊。その後軌道に乗らないまま5年経ち、状況を変えるため何のめどもなく上京する。……ここまでが先月。
 今月はアパートを見つけるまで。西東京に住むことになる。

一般人にはすこぶる評判の悪いこの「西東京市」という名前
でも私 けっこう 好きです この名前
上京するまで 存在すら知りませんでしたが

 東京住んで結構たつけど俺も知らんよ西東京市。

とにかく ここの住人に なることに私は決めた
この町 全てを私は好きになる
東伏見駅前にある わけのわからん銅像も好き!

 「この町全てを私は好きになる」がちょっと凄いなと思った。
 グーグルアースで調べたら、東伏見は三鷹の北だった。三鷹に住んでた頃、歩いて行ったことあるわ。
 どんなだっけかと行ってきた。わけのわからん銅像も見てきた。
 
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 公園は凄いのんきで、これは結構いいなと思った。でも商店が少なくて、俺には住みづらそう。
 この辺はひたすら住宅だった。建物の大きさ的にも、新旧の時間的にも差が少なくて、のっぺり平たい。西武新宿線で二駅先の上石神井まで歩こうとして、住宅の樹海で遭難して西武池袋線の大泉学園に行ってしまった。
 
カラスヤサトシ 帰りに『カラスヤサトシ』買った。作者名がタイトル。これも自分か友人の実体験をネタにしてる。
 AVのインタビューシーンで、泣き出すところだけ集めたビデオ作ったとか、どんだけヒマやねんと思うと同時に「この人、かなり深いのでは?」みたいな。はしばしにキワキワ感がある。まぬけなネタが多くて、こういう絵柄で、読者を選ばない感じなんだけど、それはアウトプットが上手いからで。自画像のデフォルトが笑顔なんだけど、「張り付いたような」っていうかね。
 過去に本名の片岡聡名義で『石喰う男』を出してるらしい。読んでみたいな。
 
福満しげゆき『やっぱり心の旅だよ』も買った。この人のエロマンガってどんなんだろうと思ったら、こんなんだったのか。いいじゃないすか。もっと面白く、エロくなりそうなんだけど、これからもエロ描いてくれるんだろうか。

大阪ハムレット

大阪ハムレット 2 (2)森下裕美『大阪ハムレット』2巻
 一話一話が濃い。淡々としてるが濃い。1巻にも増して濃い。本当に濃い。現行マンガの至宝のひとつ。
 
To LOVEる-とらぶる 1 (1)漫画:矢吹健太朗 脚本:長谷見沙貴『To LOVEる』1巻
 単行本化で乳首が書き加えられて話題を呼んだジャンプのマンガ。今さらだけど買ってみました。宇宙から美少女が降ってきてお嫁さんにしてくれと言う、あーアレですよ例の。あまりの新規性のなさに驚いた。絵柄を除けば’80年代の作品でも全然おかしくない。別にけなしてるわけじゃない。ワンパターンでもかまわん。単純に驚いた。ホントに新味がない。おかげで安心して読めるし、この種の作品としては良くできてると思う。
 結構前から少年マンガが読めなくなってる。昔買って楽しんだのも、今は1冊読み通せなかったり。中年のツボ・妄想が、中高生のそれと同じである方がおかしいんで、読めなくなって当たり前だと思う。スピリッツも結構つらくなってきた。
 それと別に、今のマンガはノリが合わないというのもある。かつてオタだったクセに、べったりオタなマンガはつらい場合がある。昔のオタと今のオタは違うから。
 『To LOVEる』は楽しめたから、俺にとって優れてると思った。言うても、2巻目以降は買わないけどね。
 
 昔、2ちゃんで「クラフトワークはテクノじゃなくてエレポップ」という書き込みを見た。言わんとすることはわかる。今のテクノとクラフトワークは違うものだ。けど、「クラフトワークはテクノじゃない」は「JBはファンクじゃない」くらいの猛烈な違和感がある。
 「ラムちゃんは萌えキャラじゃない」ってのも同様で。「キャラの自律性」とか理屈はあるのか知りませんけども、俺らはラムちゃんに萌えたのであって。結局のところ「今の若いもんから見るとラムちゃんは萌えキャラに見えない」というだけのことでしかない。
 例えば俺は、秋山奈々や堀北真希を見るとどうにも目が離せなくて「この可愛さは異常」と思って「これはもしかして、恋?」とか考えてしまって「ああ、俺はもうどうしたらいいんだろう?」って気持ちになるのだが(答:どうもしてはいけません)、同じような気持ちに2次元でもなることがあって。内容は全く知らんが、アニメ『結界師』のオープニングをそば屋で見ててヒロインに「ほえー」となってしまったり、ちょっと前だと瀬川おんぷさんにズキズキのメロメロにされたりしたが、これは「萌え」でしょう? 厳密な定義は知りませんけど、結界師の人とか、おんぷちゃんがいいと言うのを「萌え」と言っても誰も怒らないでしょう? 同様の感情がラムちゃんにも起きてたんですよ。それを否定されても、起きたものはしょうがない。
 左翼系の、例えば現国教師とかが「愛とはなんぞや?」とか言うと引くでしょ? 「愛」ってのは、そもそも定義が曖昧なものだから、何とでも言える。「愛とはこういうものだ」「いやいや、愛はそうとは限らない。わたくしが思う愛とはこうだ」とか。「萌え」だって同じでしょう。「愛とはなんぞや?」がバカみたいだと思うなら「萌え論」だってバカみたいたいなんだよ。
 『To LOVEる』が萌え系かってのもアレだけど、グラデーションがひけるわけだから。

もやしもん

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『もやしもん』4巻。特装版にするか悩んだが、結局普通の買った。菌が主役の話で始まったり、意外なゴスロリが出てきたり、なにかと面白い。
 写真と本文は関係ありません。っていうか子どもさんの筆による、リニモを喜ぶ子どもさんの図。3歳児にとって人間は、顔と手足らしい。

スノウホワイト

スノウホワイト グリムのような物語諸星大二郎『スノウホワイト グリムのような物語』。今回は巻末に原作の解説が載ってる。おかげで、マンガ楽しんで、原作楽しんで、アレンジの仕方を楽しんで、納得も得心もできた。前作『トゥルーデおばさん』は朝日ソノラマ、今回は東京創元社で、事情は知らんが東京創元社で良かった。200円アップでもこのほうがいい。
 
永山薫『エロマンガ・スタディーズ』読んだ。エロマンガの変遷にも現状にも興味があって、結構期待したんだが、がっかり。ミームだのマチズモだの「誤読」だの鬱陶しい。問題にするポイントがつまらない。
 
■これからマンガ評論書く人には、ぜひ先行の評論を読まずに書いてほしい。たくさんマンガを読んで、先行のマンガ評論に目を通さないと、門外漢特有のポカをやる可能性がある。でもポカの有無は、評論の面白さとあんまり関係がない。むしろ読んだ本に占めるマンガの割合が低いほど、いい評論が書ける確率が高くなる気がする。
 
■マンガ喫茶で、ゾクセイと、BECK 28巻と、わにとがげぎす読んだ。