フィルムの画質がエモいという。プロ用のデジカメが出てきたのは2000年代の初頭で、それ以前の印刷物にはフィルムが使われていた。その頃の印刷物の写真はエモいだろうか。
カメラを趣味にしたのが1998年、デジカメに移行してフィルムを使わなくなるのがその10年後だった。その間、ニコンCOOLSCANというフィルムスキャナを使っていた。粒状性を軽減する機能と、各種フィルムごとのプロファイルを持ち、1枚ずつ最適化してスキャンできたので、高画質だった。当時の写真データを見ても別にエモくない。今のデジカメのデータと比べるとトーンが違うが、プロ用のスキャナならさらにきれいにスキャンできたので、印刷物の写真がエモいわけはないのだ。
一方今はプロフォトDVDというサービスを使ってデジタル化している。COOLSCANより画質が悪い。ざらつきも大きいし、1枚ずつ最適化してるわけじゃない。これは見る人が見ればエモいのではないか。ちょっとおもしろいとは思うが、ありがたくない。癖なくきれいにスキャンできてる方がいい。上の写真はフィルムで撮ったものだ。一眼レフだからそれなりにきれいではあるが、コントラストが強すぎて、明るい部分はディテールが飛ぶし、暗い部分は潰れている。カラーバランスもおかしい。どうすかね。エモいですかね。
フィルムカメラがメインだった頃もコンパクトデジカメは使っていた。今でいうオールドコンデジだ。流行ってると聞いてヤフオクとかでちょっと探しだしたけど、昔のデジカメで撮った画像見ても、画質が悪くて腹が立つだけでエモいと思わなかったのでやめた。
NewJeansはMVのなかでエモい画質をうまく使ってる。20年くらい前って彼女たちが生まれる前とかで、そこにノスタルジーがある。一方おっさんの俺は20年前って懐かしい過去ではない。21世紀は最近だと思っている。その違いなのか。