環境が変わった18ヵ月目('05/4/21)

■飼育状況

 環境を変えたらカメが落ち着かない。最初は何の問題もなかったのに、数日したらなぜか急に警戒心が高くなった。給餌やゴミ取りで上から覗き込むと慌てて逃げ出す。床置きから水槽台の上に移動したので、上から覗き込まれることが減って落ち着くはずなのだが、逆に耐性が落ちたのかもしれない。これまで寝るときは浅場にいて、水槽を変えてから数日もそうだった。けど今は底で寝ている。水上を警戒しているせいだろうか。エサを食べに来ても途中で逃げ出し十分与えられない。これ以上ストレスを与えないため、今月は身体測定をやめた。

■新水槽

 水槽を45センチから60センチにした。水深も17センチに増やした。水量は倍以上に増えた。外部フィルターがうまく働いてくれて、週1回バケツ1杯(12リットル)の換水で済めばいいな、と思っているのだが……。
 これまでは小型フィルターを使い、全換水していた。換水ごとに(フィルター内を含め水槽にゴミがなければ)完全に新水になるが、次の換水前にはアンモニアが(魚にとっての)危険値を超えていた。 今後は、新水よりは少し汚いものの安全な水をキープできることになる。カメにとってもいいはずだ。
 去年の7月以来バスキングしていないので陸場はなくすつもりだったのに、水槽を変える直前にバスキングらしき上陸があった。上がりたいなら上がれるようにしてやりたいので、取り敢えずまた設置。
 右手前にあるのは素焼きの植木鉢。12センチ角の立方体で、円筒形の穴が空いている。昨年の4月からシェルター兼陸場として使っている。今は水量が増えたので浅場になった。穴の大きさがもうギリギリで、中で方向転換しづらくなったので、左側の四角い植木鉢を買い足したのだが、何が気に入らないのか全然使わない。大きく口が開いていて隠れた気になれないのはわかるが、そもそも入ろうとせず避けて通る。この植木鉢と水槽壁面の間が気に入っているようで、一応は隠れ場所として役立っているようではある。

■外部フィルター設置

 外部フィルター、エーハイム エコ コンフォート2234(→pdf)を設置した。2234は2233(エコM)のお買い得版。2233はちょっと前まで2万円だった。現在は付属品も含めれば発売当初の半額以下になっている。待ってよかった。
 信頼性はクラシックフィルター2213の方が優れているようだが、初心者なので扱いやすいエコシリーズにした。ウリであるマルチハンドルはよくできている。開閉も呼び水も楽だから、汚れの多いカメには都合がいい。
 はじめは“呼び水”の意味がわからなかった。ポンプが水に浸かっていないと空回りし、吸水することができないので、最初にフィルターに水を流し込まなくてはならない。そのためには給水側のホースを水で満たす必要がある。ホースが水で満たされていれば、サイフォンの原理でフィルターに水が流れていく。この最初に水を通すこと(より具体的に言えば、ホースを水を満たすこと)を呼び水という。呼び水機能がない外部フィルターでは、ホースの端を口で吸うか、別売りのスターターを使って水を通すのだが、エコシリーズではマルチハンドルを倒すだけで簡単に呼び水ができるようになっている。

 一旦水が入ってしまえばタップで止水でき、ホースは水が入った状態に保たれるので、本体の掃除だけなら呼び水の必要はない。また、ホースだけ掃除した場合も、ポンプは既に水に浸かっているので呼び水の必要はない。呼び水の必要があるのは、ホースとポンプ、両方が空のときだけだ。しかし実際には何かしらの不調で呼び水を行いたい場合も起きる。呼び水機能はあった方が便利だ。
 2234には濾材コンテナが3つ入る。水槽からの水はコンテナの外側を通って下に降り、コンテナ内を下から上へ流れて濾過され、水槽に戻る。
 コンフォートにはセラミック濾材、サブストラット プロ レギュラーが付属している。買えばすぐにスタートできる完全セットが売りなのだが、エーハイムのカメ水槽使用例でサンゴ礫を使っているのを参考に、最下層にpHを微アルカリに傾けるパワーハウス・ハードタイプMサイズを入れた。少量じゃあまり意味がないかもしれないけど、ちょっと凝ってみたかったのだ。また、リング濾材は整流効果を謳っており、一方サブストラット プロは球形のため物理濾過に有利だと言う。どちらも納得できる。なら両方使えばいい。
 エーハイムの例ではプレフィルターを使っているが、せっかく水中フィルターから買い替えたんだから、水槽内にゴミが溜まる場所を作りたくない。大きなゴミは粗目パッドにまかせることにする。頻繁に洗うことになりそうなので、下段コンテナの上に入れ替えた。細目パッドは使わず、その分サブストラットの量を増やした。最上段の活性炭パッドは、普通立ち上げ時だけ使うのだが、細目パッドの代わりに使い続けるつもり。単にパッドとして使うので、活性炭の効果が切れてもかわまない。
 シャワーパイプも買い足した。濾過バクテリアへの酸素供給と油膜撹拌のため、パイプは水面から出している。水を水槽の壁にぶつけるようにすれば水流は弱くなる。
 外部フィルターはほぼ無音と聞いていたが、新品のプライムミオと比べてむしろうるさいかもしれない。唸るような音じゃなく、表現しにくいが「確かに何かが回っているな」という感じの音がする。エア噛みしてる様子もないのだが、個体差か設置場所の問題だろうか? 水音もちゃぷちゃぷ言うだけならいいんだけど、勢いが強くてプシューと鳴るのが耳障り。とは言え、寝室に置いても我慢できる範囲ではある。

■生物濾過

 外部フィルターの導入で、生物濾過を行うことになった。生物濾過は、アンモニアをバクテリアの働きで硝酸に替えるものだ。ニトロソモナスがアンモニアを亜硝酸に替え、ニトロバクターが亜硝酸を硝酸に替える2ステップを経る。その過程で酸素を消費し、水のpHが下がる(酸性に傾く)。硝酸はアンモニアに比べ害が少ないので水替えの頻度が減らせる。害が少ないとはいえ硝酸も有害には違いないから、危険な量が溜まる前に水替えが必要になる。
 
 ・フン、エサのカス、はがれたコケ
   ↓
 ・アンモニア
   ↓
 ・亜硝酸
   ↓
 ・硝酸
 
 汚れの大本はエサで、水中に溜まる汚れは硝酸ということになる。エサの量と硝酸の量は、大雑把には比例するはず。
 アンモニアを全て硝酸に替えられる濾過能力が必要だ。それ以上に強力なフィルターを使えばアンモニア処理能力に余裕ができるが、硝酸の増加量は変わらないから、換水頻度を減らせるわけではない。
 部分換水で取り出せる硝酸の量が、換水までに増えた量より多くないと、硝酸はどんどん溜まっていく。換水はバケツ1杯に抑えたい。2杯以上は面倒だから。それで追い付く換水ペースを見付けなくてはいけない。
 ちなみにこのやり方(換水量を全水量に対する割合ではなく、リットルで固定)だと、水槽を大きくしても換水頻度は減らせないだろう。水が多いぶん硝酸は薄まり、危険域に達するまで時間はかかるが、それは最初だけだ。バケツ1杯に固定すると相対的に換水の割合が落ちてしまう。逆に言うと、換水量を全水量に対する割合で決めた場合、大きな水槽を使えば換水頻度は減らせるが、1回の換水は大変になる。当たり前の話だ。
 ややこしいが結局のところ、アンモニアを処理しきれる環境をクリアしてしまえば、換水にどれだけ手間がかかるかはエサ量で決まり、それ以上フィルターや水槽のサイズを大きくしても楽にはならない、ということだ。

■水槽台

 水槽台はGEXのインテリア水槽台ロータイプにした。部屋の都合で50センチ以下にしたくて、選択肢がこれしかなかった。高低差が少ないとフィルターのホースが折れやすいのが難点。下のスペースに2234が調度よく収まるが、背面に穴がないのでホースと電源コードは前に出さなくちゃいけない。購入価格が3600円だからカラーボックスと変わらないのではないかと思ったが、それなりにちゃんとしている。当たり前だが床置きより観察しやすくなった。

*追記:インテリア水槽台ロータイプは絶版になったようです。