■観た。びっくりした。
たいしたこと書いてないけど一応畳みます。
普通に楽しめたというか、幸せな時間が過ごせてしまった。幸せと言うには難儀な話かもしれんが。
エヴァは頭使わされるし、凄いハマリつつも「完全には受け入れてやるもんか」と、張ったバリア越しに斜めから見るようなとこもある。それが今回、事前情報ないまま何やるんだろうと観に行って、そのまま受け入れられちゃった。
全然違う話をやるのかと思ったら、テレビシリーズと同じとこも出てくる。話の作り替えがされる面白さがあって、こういうのは今まで体験したことないような。
そんで同じエピソード、同じキャラに意味の与え直しが行われてて、意味の読み直しを要求されるのもおもろかった。
ここは頭使う部分だけど、過去作での深読みが設定やら、じくじくした内面に向いたのに対し、今回は普通に話の奥に向いたから拒絶する要素がなかった。
既にさんざん言われてるんだろうけど、お弁当。世界をどうにかするのと対極にある日常の仕事。
綾波がシンジを「ぽかぽかする」と評する。テレビのシンジは人をぽかぽかさせるキャラじゃなかった。今回も基本一緒で、綾波に「ぽかぽか」を言わせるには弁当あげるしかなかった。弁当でかろうじて「ぽかぽか」キャラになってる。
綾波もアスカも弁当に参加する。弁当は気遣いで、気遣いは自閉の対極。これまでのエヴァの逆。
まあ、弁当プロジェクトは悲しい結果を迎えるんだけど。
アスカを殺してしまったかもしれない大きな仕事の後、シンジ自身の個人的な動機、綾波だけは救いたいという思いが話をドライブする。
シンジの実存のようなものは、世界をどうこうするでっかいストーリーにあるんじゃなく、綾波に弁当を用意するような小さいところにある。
監督のその後があって、時代があって、エヴァは作り替えられてる。次を見なきゃわかんないけど、どうしたってこれはもう面白いし、観客として参加できるのは嬉しい。