コニカTC-X

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■コニカTC-Xは、’84年に発売されたコニカ最後の一眼レフ(コニカミノルタを除く)。フレームまで全部プラスチックの軽量ボディー(375g)が当時は珍しかった。
 わたしゃ中古で’99年に買ったんすけどね。40ミリの画角に興味があって。135の標準は50ミリってことになってるけど、これはライカ以来のしがらみで、実際のフィルム対角は43ミリ。50ミリは中望遠だし、35ミリは準広角になる。使っててもそういう風に感じる。見たままを撮りたかったんで、その中間の40ミリが欲しかった。ズバリ43ミリはペンタックスのリミテッドしかなかったし。オリンパスにも40ミリがあるけど、発売当時は1万円台の一番安いレンズだったのに、プレミアがついて7万とかになっちゃってる。TC-Xとヘキサノン40/1.8の組み合わせなら安く済む。使ってみれば実際、40ミリの画角はしっくり来た。
 このカメラはとにかく安っぽい。赤いラインが男児玩具センスで一眼レフに見えない。ファインダーは明るいが素通しに近く、スプリットプリズムでしかピントが合わせられない。ファインダー周囲がつや消しになってないんで、逆さ富士のように像が反射する。フィルムカウンターの透明プラスチックも、飛行機のプラモデルの翼灯みたいで、反射と歪曲で見にくい。シャッター優先AEなのに、シャッターダイヤルに粘りと遊びがある。
 そんなんのクセにいろいろ面白い機構になってる。ファインダーはミラーじゃなく、ちゃんとプリズムだったりする。電池は単4。どこでも買える。しかも、マニュアルは電池がなくても動く。FM-3Aのように凝ったハイブリッドシャッターを搭載してるわけじゃない。シャッター優先AEが、昔のコンパクトカメラみたいなメーター針押さえ式になってる。シャッターボタンを押し込んでいくと、露出計の針が押さえつけられて、その針の位置を頼りにカムが絞りを検出するメカニカルな機構。シャッターはもともと電子制御されてない。
 40/1.8は描写が柔らかくてイイ感じ。同じ焦点距離でも被写界深度が浅く感じるレンズと、深く感じるレンズがあるが、これは浅い。40ミリにしてはやけにボケる感じ。ヘキサノンARはあと28/3.5しか持ってないが、両方とも紫がかったような色調。下は40/1.8で撮ったもの。何も主張しないスケルトン提灯。

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