■中古で買ったクレメンチーナ・ヂ・ジェズースの2 in 1が凄く良かった。
クレメンチーナは、黒人文化の伝承者とか、ブラジル音楽のミッシングリンクとか言われてるらしいサンバ歌手。
前半はショーロの偉い人、ピシンギーニャ、ジョアン・ダ・バイアーナとの共演。まさにルーツミュージックって感じだが、聴いて古い感じがしない(録音は’68年)。優雅で土臭くてたまらん。今まで聴いたブラジルものの中で1、2を争う勢いで素晴らしくいい。
絶版かと思ったら今も出てるようだけど、CCCDのようでもあり。俺が買った旧盤の在庫がHMVにはあるっぽい。同じシリーズでもう1枚『Rosa de Ouro』ってのが出てて、それが代表作みたい。欲しいなあ。
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ジョアン・ジルベルトの伝説
■長らく手に入らなかった『The Legendary João Gilberto』が韓国EMIから再発。
ブラジル音楽のガイドブックを見ると、ジョアン・ジルベルトならまずこれを買っとけ、って書いてある。ボサノバのスタイルを作ったのはジョアン・ジルベルトだから、ボサノバで1枚っつったらこれってことにもなる。ところが絶版になってて、2万とかプレミア付いてんの。それが正規版で出た。
これは買っとかないと! なぜよそで出せないものが韓国で出せるのかわからんが、それゆえに買っとかないと! 問題解決したんなら今後日本盤が出たりするのかもしれんが可能性低いしとにかく今は買っとかないと!
初回入荷分はとっとと売り切れたようで、ディスクユニオンに予約しといたのが今日届いた。タワレコとHMVのリンクも張っとく。
・私の音楽日記 | 「ジョアン・ジルベルトの伝説」をこのように聴いてみた
オリジナルアルバムにそった曲順をアップしてらっしゃる方が。プレイリストにて利用させていただきます。
カルメン・ミランダ
■久保田麻琴『世界の音を訪ねる—音の錬金術師の旅日記』面白かった。インタビューの中で、細野さんはカルメン・ミランダが好きだった、って話が出てきた。
夕焼け楽団の最初のスタイルは、さっきもいいましたが、基本的なアメリカン・ルーツ・ミュージックを電気化したものだった。それがたぶん、自分なりに作った一つの答えだったんです。でも作りながら、それにアルバムを出してしまった後も、なんだか自分では好きじゃないんですよ。なにか居心地が悪い。
その頃、細野さんもつくりながら居心地の悪さを感じていたようです。
その頃「さて、これからどうしよう」というような話題は、いろんな場面で出ていたんです。それで、「ハワイが面白かった」とか「沖縄がすごかった」なんていう話から、私のほうはハワイ+チャンプルーっていう、いかにも短絡的な(笑)アイディアが浮かんだ。
細野さんのほうは、ブラジルのサンバ歌手でハリウッド・スターのカルメン・ミランダとか、四〇年代の歌手で女優のドロシー・ラムーアのエキゾチックな役柄とかが、好きだったんですよ。<略>それで私が、「細野さんはトロピカル・ダンディだよね」といったら、それが彼のアルバムタイトルになった。
カルメン・ミランダはブラジルのスターで、’40年代アメリカで活躍した。一時はアメリカで一番稼いだ女性だったそうだ。
・バナナトーク:ミス・チキータの謎
・YouTube – Carmen Miranda
・ミュージカル・ムービー・ワンダーランド:ブラジルから来た爆弾娘
・ブラジル・サンパウロから世界へ、そして渋谷:”ブラジル人”スター、カルメン・ミランダの回顧展
・カルメン・ミランダ:バナナが商売
コメディエンヌの唄は評価されにくい上に、ブラジルを捨てアメリカに渡って、ベタな南国イメージを売りにし、成功しちゃったもんだから、良く思ってない人もいるらしい。前に引用したカエターノの文章に出てくる「バナナを吊したターバンの連想」ってのはカルメン・ミランダのことも含んでるんだろう。
もっとも、カエターノはバナナに特別な因縁があるらしい。フリーペーパー『MPB』の今の号に面白い話が載ってる。
「ボサノバ」が画期的新製品というニュアンスで工業製品の名前に使われたのと同様、トロピカリアもマスコミが煽りTV番組がヴィジュアルを日夜大量に流し、産業界が「最新流行」に便乗してから急激にその勢力を広げたのである。ジルやカエターノたちは押し寄せる波に囲まれ、気が付けばその頂上でサーフィンをしていたようなものだ。
世間は彼らをトロピカリスタと呼び、否応もナシにバナナというシンボルをくれた。<略>68年4月9日のTV特集バナナナイトでは、もはや完全に腹をくくったカエターノがバナナプリントの衣装で出演し「Yes、バナナあります」を歌った。街角ではバナナを無料配布、仰向けで足を高く上げるバナナの木のポーズ(以後カエターノがステージでよく演じた)のコンテストなど盛り上がるのなら何でもあり。
本人の意図とは別に、新たな流行としてマーケティング主導でトロピカリアが盛り上がり、バナナの木のマネまでやるはめになって、その後逮捕されて亡命、ロンドンで鬱々としてすごしたカエターノ……。
話がズレたが、中村とうようがカルメン・ミランダを絶賛していて前から気になってた。細野ファンとしても聴いてみたい。つーことで中村とうようが自分ちで出したオーディブックの『ベスト・オヴ・カルメン・ミランダ』を中古で買ってみた。「BMG盤のCDとは曲はダブりません」と謳ってるが、そのBMG盤も廃盤で難儀。
なんせ’30年代の曲がほとんどだから素直に耳に入ってこない。圧倒的だという歌唱力も、耳ができてないんでピンと来なかったり。まあ、じっくり聴いていこう。『チャタヌガ・チュー・チュー』は細野さんのとアレンジも似てる。原曲はグレン・ミラーだが、細野さんのはカルメン・ミランダのカバーだ。
エキゾチックを望むなら’40年以降の方なんだろう。iTMSにもある。
映画も見てみたいがDVDになってないみたいだな。版権切れてるし500円ので出てくれればいいのに。
吉野紗香『FAKE』
■本日はマリーザ・モンチ国内盤とともに、吉野紗香DVD『FAKE』の発売日だったのだが。
いやあ。これは痛い。
アイドルと違って女優のイメージビデオって難しいんだろうなとは思う。それにしたって工夫が裏目に出てる。安っぽい。’80年代初頭っぽい。っていうかアタマ悪い。
なにより今どき本編24分。私、驚きました。しかも特典映像14分の内訳は、ビデオメイキング、写真集メイキング、予告編の3本で、予告編はホントにオマケだし、写真集メイキングは写真集の特典映像と被ってる。
今日は期待はずれで残念な日だった。がっかり人生。
■マリーザ・モンチの新譜はiTMSにあるな。これと、これ。ヨーロッパ盤とかでCDが出なければiTMSで買おう。
まだCCCDが
■マリーザ・モンチの新譜が国内盤までCCCDで、ボクチンたいそうご立腹です。東芝EMIに赤猫這わしたろかと思った。などと言うと共謀罪とかでアレかもなので、燃えたりするようなことがあればいいなあと思った。心から。
■そんで新譜でも何でもないものを購入。
・ナラ・レオン『NARA』
紙ジャケが買えるうちに。紙ってあんまり好きじゃないけど、エレンコの紙ジャケはとても可愛い。あ、リンク先は紙じゃないはず。
・ソニア・ローザ・ウィズ・ユウジ・オオノ『Spiced With Brazil 』
・パウリーニョ・ダ・ヴィオーラ&エルトン・メデイロス『夜明けのサンバ』
軟式
■1500円の国内盤『ボサノバ1500』ってシリーズが出てありがたいなーと思ってたら、近所のレンタルビデオ屋にたくさん入っててなおありがたし。片っ端から借りていこうと思ったが、聴かんでもよさげなものと、自分で買いたいのを除いていくと、どれ借りていいやらわからんくなる。取りあえず今日は2枚。
■相澤仁美が“軟乳”をウリにしてるんで、俺は“軟根”で売っていこうと思う。
サラヴァ
■DVD、『SARAVAH 「時空を越えた散歩、または出会い」 ピエール・バルーとブラジル音楽』購入。ブラジルの映像ものを買うならまずこれかなと思って。バーデン・パウエル、パウリーニョ・ダ・ヴィオラ、マリア・ベターニア、ピシンギーニャとか出てる。俺がブラジルに対して勝手に抱いてるイメージ、音楽が生活に密着してる感じそのものの、幸せな映像。買ってよかった。DVDで追加された’96年からの映像には、シビアな実情も。
■CD、ルイス・ゴンザーガ『バイオーンの王様』買った。’41年から’53年のベスト盤。北東部ならまずこの人かなと思って。アマゾンは品切れなのでタワレコにリンク。
アイデアに富んでて楽しい。マリーザ・モンチ、トン・ゼーのカバーで聴いたことある曲もあった。専門的なことは全然わからんが、サンバによく入ってる、階段を数段上ったかと思ったらまた数段降りたりするようなギター(?)の音が俺はなんだか凄く好きで、それが入ってると嬉しい。
ゴンザーガはバイオーンという音楽を始めた人だそうだ。レゲエに似ててぶんちゃかぶんちゃか言う。’53年くらいにバイヨンと呼ばれて世界中に知れ渡ったとか。バイヨンなら細野さんの曲で名前は聞いたことある。
ライナーに載ってた生田恵子『東京バイオン娘』も面白そう。’51年にブラジルに渡ってゴンザーガ直伝のバイオーンを録音したそうな。
■あと、ジアナ・ヴィスカルディ『4321』。前に試聴して良さげだったけど、新譜は控えめにしようと思ってるから一旦パス。でもここ見て結局買った。ルイス・ゴンザーガのカバーもあるけど、俺が買ったのにはその曲が入ってないから聞き比べられず。
マリーザ・モンチの新譜と、カシン+2も出たみたいだからそれも買わなきゃ。