が大きくなって復活した。よかったよかった。と、思ったんだけどなーんか違和感がある。どうも楽しくないっていうか、どの棚見ても疑問符が浮かぶ。なんか変。確実にがっかりなのはマンガが少ないこと。
もともとあった青ブックは例の騒ぎのとき閉店して、跡地にブックファーストが入った。棚が増えたぶん狭くなって難儀だが、もとの青ブックの路線も引き継ぎ気味な感じで悪くない。
青ブックがつぶれる少し前に芳林堂ができた。自由が丘でいちばんデカい本屋。マンガが多めで良かった。
んで、この芳林堂が青ブックに代わった。ややこしいが、結果的には青ブックが広いとこに引っ越して、空いた旧店舗にブックファーストが入ったようなかたちになった。
俺としては普通の大きい本屋があって、そこにない本が青ブックにある、ってのの方がありがたいような。芳林堂と青ブック旧店舗が両立してたときがいちばんよかったなあ。
投稿者: ふじり
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青山ブックセンター自由が丘店
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西島大介『ディエンビエンフー』
これまた意欲作。どきどきする。ひりひりする。意地悪なこと言えば、凄い駄作になる可能性もありそう。でも、そのダメさが自分に繋がってる気がする。「1巻」って書いてないけど、これ1冊で終わりじゃないよね? 掲載誌つぶれても描くよね? 始めからこの長さの話だったとしたらあんまりだ。
あ、全5巻くらいですか。良かった。 -
響鬼
あー。響鬼がダメになっていく〜。
アクションは良くなった気がするが、セリフがくせえよ。もう、もったいつけた話は見たくねえよ。
・仮面ライダー響鬼路線変更の是非を問うスレ5
なんなんだ? オトナの事情? -
五十嵐大介『リトル・フォレスト』2巻
サクサク読んじゃいけない気がして、ちびちび読んでた。
俺にとっては驚異の世界。日本の農村の話なのに、ファンタジー読んでるみたい。凄く豊饒。昔はこれで普通だったんなら、なんでこれを捨ててこんなんなっちゃったんだろうと思う。
「田舎」を持たない都会の人間が、田舎に引っ越して農業始めるってパターンもあるが、俺はやらない。みんなやらない。一部の人しかやらない。っていうか、こんな暮らしじゃイヤだっつって今になった。娯楽が多くて便利で裕福で安定的で衛生的で人が死ににくくなった。
「田舎暮らしもステキだねー」と軽く言えないのは、田舎暮らしを捨てたとこから俺が始まってるから。よその話と割り切れれば楽しめるだろうが、描かれてる田舎の暮らしが捨てがたく魅力的だから。ステキな生活をしてない自分が揺さぶられるから。作者は揺さぶりたくて描いてるだろうから、まんまとハメられたというか、俺は結構いい読者だと思った。
「小森に骨を埋めていいのか」という主人公の悩みは、そこに住んでない俺との接点になる。俺にとっては「小森的なものを捨てたままでいいのか」。
のだが、ラストに関しては何とも言えない。ちょっと面食らった。「うわー、こんなに真っ正面か」と思った。これをあっさり受け入れられるほどいい読者にはやっぱりなれない。 -
ジョージ秋山『WHO are YOU 中年ジョージ秋山物語』
これは走馬燈じゃないのか。こんなん描いたら死んじゃうんじゃないか。
エッセイマンガということで、編集者も実名で出てるそうだが、普通こういうのをエッセイマンガとは言わんと思う。実話ベースではあるがとぼけすぎ。後半ではデロリンマンや蒲郡風太郎なんかと会話もしてる。
ジョージ秋山の女を見る視線はモテない男のそれだ。じっくりねっとり盗み見て、勝手に女性を持ち上げて勝手に落胆する。今はモテてるということになってるし、昔もモテないわけじゃなかったようだ。なんでこんなふうなんだろう。 -
土人との戦争
別に夏だからというわけでもなく、ここんとこ戦争映画を観てる。
ベトナム戦争ものを観ると、ベトナム人が土人っぽい。日本人の俺にとって映画のスタンダードはハリウッド映画だ。格好良くて文化的で英語をしゃべる白人がスタンダード。格好悪くて文化的に遅れてるふうで知らない言葉をしゃべるベトナム人はノン・スタンダード。
『フルメタル・ジャケット』でベトナム人と「話す」シーンは、ポン引きとの交渉と、ラストの虫みたいになったスナイパーの嘆願を聞くとこくらい。アメリカは言葉が通じない土人と戦っていた。俺はアメリカ人の視点で、自分に似た顔のベトナム人を土人として見る。
アメリカの映画で日本語が出てくるとする。俺は日本人だから何言ってるかわかるが、本国では字幕が出てないことがある。観客にも登場人物にも、日本人が何言ってるかわからない。わからなくていいノイズ。それと同様のわからなさをアメリカ人と共有しながら俺はベトナム人を見てる。
戦争となると、敵と言葉が通じないことは普通なんだが、普段SF見てるとわかんない。ジオンともガミラスとも言葉は通じる。ハリウッド映画をアメリカ人の視点で観てるとやっぱりわかんない。
じゃあアメリカ人にとって、旧日本兵はどんなふうに土人だったのか。『パール・ハーバー』観たら、土人扱いは免れてるふうだった。日本の描写がおかしいと言われてたようだが、映画的に格好良く描かれてると思った。この映画はSFだから面白いっちゃー面白かったが、いろいろ不満足。
『シン・レッド・ライン』は凄えつまんなくて途中で投げたが、日本人が土人として描かれてたんで満足感があった。「アメリカ人にとって日本人は絶対土人だったはず」が証明されて納得した。
日本の陣地に突入した米兵が「臭い」と言って鼻にタバコを詰める。直接的に臭いのは死体の匂いなんだが、意味するとこは不衛生な土人に対する生理的・根本的な拒絶だろう。戦争の虚しさを文学的に綴る辛気くさい話の中で、日本人は尊厳なくぽんぽん死ぬし、意味不明の言葉を発するし、半裸だし、臭い。現地人より人間扱いされてない。
関係ないけどレノアのCMで「特に主人の」枕カバーが臭いと糾弾されたにとどまらず、ファブリーズ対抗商品のリセッシュでは「ウチの男が臭い」と息子さんまでもがデオドラントの対象になってる。そのうち「シュッとひと吹き」で臭いの元である男を消し去る製品が出るんじゃないか。
今日観た『鬼が来た!』は凄くオモロかった。終戦直前の中国の農村が舞台。レジスタンスと思われる謎の人間がふたつの麻袋を中国人の家に置いていく。ひとつには日本兵が、もうひとつには日本に従軍してた中国人翻訳者が入っている。日本語は中国人に通じない。通訳はウソばっかり言う。
日本軍と中国の農民、どちらが土人かと言えば、中国人の方が土人っぽい。中国映画だから、土人の側の視点で土人を描いてる。
謎なラストに関してはこれ見て納得。 -
iTMSで買ったり買わなかったり
リンクは基本的にiTMSへのもの。
■買ってない
・拍手も150円
・うぱうぱちんちん うぱうぱちん
・なんクリ
■買った
・Madness『Sweetest Girl』
スクリッティ・ポリッティのカバー。原曲のキーボードはロバート・ワイアット。
・Koko Taylor『Wang Dang Doodle』
昔コンピで聴いて気に入った曲。オリジナルはハウリン・ウルフだそうな。
あとm-floとクレイジーケンバンドを1曲ずつ。
UAがCMで歌ってる『A Felicidade』が欲しいのだがリリースされてないそうだ。そもそもUAはiTMSにないのだが。→アストラッド・ジルベルトのバージョン