いきなりはじめる仏教生活

いきなりはじめる仏教生活 (木星叢書)釈 徹宗『いきなりはじめる仏教生活』読んだ。
 内田樹と往復書簡形式の『いきなりはじめる浄土真宗』も予備知識なしで始める仏教入門書だったが、あっちは内田樹が門の前で足を踏ん張って中に入らず門の外で問答してたのに対し、こっちは「とにかくまず門の中に入っちゃおうよ。今日からあなたも仏教徒」って感じ。ホントに「いきなりはじめる仏教」。そこまでの心づもりはなく読み始めたから、「え? ちょっと待ってよ」みたいなとこもある。どっかの宗派に所属しろというわけじゃなく、仏教生活を始めるんだけど。
 序文から引用。

 皆さんは現代を「理解できないような凶悪犯罪が多発する、すごくいやな社会になった」と考えていますか、それとも「いや、大きな視点で見れば、良い社会になっている」と考えていますか。はい、両面ありそうですよね。きっと、どちらも間違っていないのでしょう。でも、「いずれにしても、現代人特有の苛立ちがあり、それはなかなかやっかいである」ってことは確かなようです。私たちは、「現代を生きるためには、自分というものを確立・維持しなければならない」という命題と、「自分というものを自分で扱いかねている」という事態との間で、慢性的に苛立っているような有り様です。そして、この状況において、まさに仏教はオススメなのです。

 こんな調子で、最近の問題も取り上げつつ平易な文章で軽く読めて面白い。安易なハウトゥー本にはなってないし、ちょっといい話・心温まる話なんかも載ってないし、かといって淡々としたダイジェストでもない。仏教のとっかかりになるものとして、効果的に、きちんと書かれてる感じがした。
 第1章が「自我のバブルは続いている」。肥大しちゃった自我を崩すのに、仏教は有効なツールらしい。現代(モダン)の価値観に対して仏教は別の視点を持ってくるという。
 俺は結構うまくいってなくて、根本的には性格というか育ち方間違ったなってことで。俺が俺であり続ける呪いのせいでしんどくなってる。それを崩していかなきゃならんので、何かと参考になるというか、骨身に染みるというか、しっかり読まなきゃなあと思った。

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