■池松江美『男性不信』
主人公は“虫酸ラン子”、オビには「辛酸なめ子の半自伝的小説」とある。生い立ちやら過去のセクハラ体験やら、生々しいようで、すっとぼけていて、肩すかし感もあり。
同世代にはモテないが、おっさんには大人しく純情で言うこと聞きそうに見られてモテるそうだ。俺はおっさんでありアイドルとしてのなめ子さんのファンだが、そんな風には見てないなあ。まあ、おっさんの時点でダメなんだが。
■今井和也『中学生の満州敗戦日記』(岩波ジュニア新書)、松原一枝『幻の大連』(新潮新書)。
満州回顧もの新書。広告業界人がジュニア向けに書いたものと、作家が一般向けに書いたもの。結構テイストが違う。単純に比べられんが、『幻の大連』の方がおもろかった。