かむろば村へ

かむろば村へ 2 (2) (ビッグコミックススペシャル)いがらしみきお『かむろば村へ』2巻。おもろい。
 最近、バカが気になってる。「バカだけどいいヤツ」は、マンガなんかの主人公のパターンの定番だ。正義感が強かったり努力家だったり。
「頭が良くていいヤツ」が理想だけど、愛されるキャラというより、愛する側、与える側になる。読者にとって憧れの対象にはなるが、愛する隙がない。
 そんでよく考えると、「バカだけどいいヤツ」ってのは実際には成り立ちにくいんじゃないか。バカでうまいこと他人が気遣えるんだろうか。「邪心がない=いいヤツ」とは限らない。イノセントってのは動物に近いんじゃないか。普段優しくても、なんの邪心もなく欲望を剥き出しにすることもあるだろう。なんてのは極端にしても、与える側には回りにくいはずだ。与えない優しさは限定的なものになる。
 ギャグマンガなら与える必要はない。壊せばいい。外せばいい。バカで邪(よこしま)な主人公が成り立つ。
『ヒミズ』みたいなぐちょぐちょした話だと、バカはバカゆえに不幸から逃れられたりする。バカゆえに不幸を呼び込むこともあるが、バカゆえに深刻さが浅い、ってのは変ないい方だな。とにかくブンガク的になれないので不幸な物語から外れていく。
『かむろば村へ』の主人公は「ほでなす」で、与えられっぱなしだけど、妖精みたいなもんなのか。
 
福満しげゆき『うちの妻ってどうでしょう?』1巻
 4コマの割りなのにエピソードが4コマで切れてない。主人公がやたら後ろ向いてる。妙なマンガだなあ。『僕の小規模な生活』とやってることがカブってたらつまんないなと思ってたけど、違うテイストでよかった。
 
『地平線でダンス』『あずみ』、ちょっと前に『B型H系』と、なんか買ってるマンガの新刊がまとまって出た。

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