■西島大介『ディエンビエンフー』1巻・2巻
2巻だけ買ってきて登場人物紹介見たら、わけがわからなかったので1巻も買ってきた。
書き直されてるんだな。主人公は17歳から19歳に。ハーフからクォーターに。ニコンSはライカIIIfに。角川版1巻の方がシンプルな分、コアが見えやすいと思った。あとがきもわかりやすいし。
大友克洋の初期の作品読むと、戦争がまだ残ってる。戦争なり戦後なりを経験した爺さんやらが出てくる。歴史と繋がってる感がある。学生運動もまだ繋がってた。ニュータイプ的なエスパーは未来に繋がる。
でも、もう繋がってない。過去の戦争に関しては本でしか知ることができず、映画のイメージしか持ってない。だから戦争のことは描けない。
描けない前提で、こんなんなっちゃってる。全裸の娘さんが超人的な能力で怪人みたいなグリーンベレーを気持ち良く切り刻み、主人公は従軍カメラマンのクセしてこの子しか撮らず、オナニーばっかしてる。そういうのがしょうもないと思うのはまっとうだけど、戦争が描けてるとか描けてないとかは、このマンガに言っても仕方がない。
ベトナム戦争の考証は、SFとかファンタジーとかの設定を詰めていくのと似た興味でマニア的になされてるのかもしれないけど、脳内で完結したものよりは読んでて面白い。歴史から切れちゃって知らない、関われなかった過去のイベント(ってことだよね)にカタをつけたいって動機があるようで興味深い。
この人の言う「現実はデタラメだ」はちっともピンと来ないんで、主張がお話より前に出て、つまんなくなったらヤだな。ちゃんとエンターテイメントとして転がしてほしい。
■荒木飛呂彦『スティール・ボール・ラン』13巻
「男の世界」の次は、百合の世界に突入し、どうなるのかと思ったら、圧迫祭りの世界。