過去にアストロスイッチの運用をめぐって、賢吾の父と理事長の対立がある。
賢吾の父は、無茶はやめよう、時間がかかってもいいなじゃいか、次代に繋ごう。
対して理事長の指向は、特別な人間(自分)が特別なことをやり遂げるのだし、そのためには無茶もやる、というもの。
これが前提。
舞台が学園だけあって、ラストバトルは卒業式だった。仮面ライダー部と弦太朗は、特別な人間である理事長の支配から卒業し、ひとりひとりの青春の場である学園を取り戻すと宣言(学生自治!)。
そして理事長を倒し、賢吾の父の路線を受け継ぐ。みんなでやろうと。
そういう最終回だった。
基本的にヒーローものは、正義の方も悪の方も、特別な人間が特別なことをやらかす話。
特別悪いヤツらからみんなを守るため、特別な正義の味方が戦う。大切なのは「みんな」だが、みんながどうなるかは特別な人の動向次第。庶民がどうなるかはお上が決める。あるいはお上がどうだろうと、庶民は庶民でやっていく。
初回では賢吾がフォーゼになろうとするが、病弱でできず、弦太朗に代わる。弦太朗にライダーとしての資格は求められていない。キャラクターは特異だけど、設定上は普通の人だ。
なんと賢吾の方が特別な存在だった。アストロスイッチから生まれた地球人のサンプル。変身できないのは病弱だからではなく、覚醒していないからだった。フォーゼドライバーは本来賢吾のもの。で、覚醒して宇宙に帰ろうとして、殺されたと思ったら戻ってきて、そしたらなんか普通の人間になっちゃったみたいでよかったねと。
普通のみんなで次に進もうというオチ。ヒーローを否定してる部分がある。ヒーローものにおいて民主主義の萌芽が。
賢吾は「理事長を憎むな」の発言で凄い存在感増した。理事長の方も自分が信じた道を進んでただけで、心底悪人じゃなかったのがおもしろい。
と、まとめるとずいぶんユニークなヒーローだったけど、全体通してみんなががんばってる感が弱かった。仮面ライダー部の活躍にムリヤリ感があったし、キャラクターの掘り下げとか、ぶつかりあいとかも薄かった。友情友情言ってんのにチームに魅力が感じられない。ユウキをバカキャラにしすぎたのももったいない。ヒロインいないと寂しいっすよ。
オーズだと映司・アンク・比奈ちゃんのチームが凄く魅力的だったし、グリード側のごちゃごちゃもよかった。フォーゼにそういうのがあるとしたら、終盤のほかは数話だけって感じ。
そんなこんなで最終回、「盛り上げてんなあ」みたいな感じでちょっと覚めて見てた。
あと、園ちゃん先生とかダークネビュラ送りになった人帰ってくるかと思ったら、それはなかったね。