デジカメ買って20年

 インプレス・デジカメWatchの記事、「20年前のデジカメを今のデジカメと比較してみた」を見て「え? 20年前?」と思ったが、私が最初のデジカメ、初代サイバーショットDSC-F1を買ったのが’96年末だから、やっぱり20年経ってるんだった。そんなにか。産まれた子が成人するじゃないか。

 上の写真はサイバーショットDSC-F55と初代機DSC-F1。フィルムカメラのOM-2で撮ったもの。どの機種も、もう手もとにはない。
 
 サイバーショットを買うまでカメラには興味がなかったが、新しく出てきたデジタルデバイスとしてのデジカメには興味を持った。
 背面液晶でその場で見られるのが新しい(だから液晶が付く前のアップル クイックテイク100は全然欲しまらなかった)。
 写メもなくヒロミックスもいない時代、写真を撮る・撮られること、それ以前にカメラを持っていることには意味が付いてまわった。写真は、わざわざ撮るものだった。急にレンズを向けられると身構えたり、相手が知らない人間なら不審に思う。同じように、何を撮るにしてもなぜ撮るのかが問われる。それがイヤだった。もっと気楽に撮りたかった。
 高校の頃(’80年)、オリンパスXA2が出た。当時としては非常に小型でカメラらしくないデザインだった。レンズバリアが付いていてケースがいらず、ポケットから出せば、(パンフォーカスなので)シャッターを押すだけで撮れる。撮るまでの時間が短い。威圧感を与えない。これなら普通に普段を撮れる。そう思ってバイトして買った。下の写真は上がXA2、下が後に中古で買ったXA。
 話がちょっとズレたが、撮った写真が液晶ですぐ見られるというのも威圧感をなくす。どんなふうに撮られたかわかるから。すぐ消せるというのも写真の意味を軽くする。カシオQV-10を見て画期的だと思った。けどQV-10は値段のわりに安っぽく、買うまでに至らなかった。サイバーショットは物欲を刺激してくれるものだった。
 
 デジカメに興味を持ってカタログをもらってきたりするが、デジタルの部分はわかっても、カメラ部分のスペックがわからない。今後デジカメはどんどん便利になっていくだろうが、絞りやらシャッタースピードやら、基本の部分を知らないままでいるのは気持ち悪い。そう思ったら今度はフィルムカメラに興味が湧いてきた。電子化が進んだ(当時の)最新フィルムカメラは、いずれデジカメに駆逐される中途半端なものに思えて、古い世代のカメラを中古で漁るようになった。値段的にもエアガンを買うような感覚だった。「ほう、この機種はこうなってて、こう写るのか」なんてのを試すのが楽しかった。
 
 ’00年には自分としては大物であるOM-4Tiを新品で買った。’00年だから「ミレニアムストラップ」という特別なデザインのストラップが付いてきた。本当かどうか知らないが、聞いた話ではこの種の機械物は15年間部品がストックされるとかで、’15年までは安心して使えるのだなと思った。が、オリンパスは2年後にOMシステムを終了し、その翌年Eシステムを発表した。いったいいつまでOM-4の修理を受け付けていたのかわからない。
 
 デジカメの進歩は思ったより早かった。画質がフィルムに追いつき、追い越してくると、その追い越したカメラを自分が持っていなくても、フィルムカメラを持ち出す気がなくなってきた。ユーザーであるこちらの方が’15年までもたなかった。愛着があるから棚に並べてはいたが、4年前にPEN E-P5を買っていよいよ出番がなくなり、引越を機に全部処分した。フィルム時代はどんな撮影にも対応できるようシステムを組むのが楽しかったが、今はどうせスナップしか撮らないから最小限のシステムになってる。もう三脚すら持ってない。
 
 今までに買ったデジカメ。並びは購入順。10台だから2年に1台買ってたことになる。今持ってるのはOM-DとS95(全然使ってない)だけ。今後はOM-DとiPhoneがあるから当分買うことはないだろう。

  • ソニー サイバーショット DSC-F1
  • ソニー サイバーショット DSC-F55
  • オリンパス キャメディア E-100RS
  • カシオ エクシリム EX-M1
  • カシオ エクシリム EX-S20
  • パナソニック ルミックス DMC-FX7
  • 富士フイルム ファインピックス F50fd
  • キヤノン パワーショット S95
  • オリンパス PEN E-P5
  • オリンパス OM-D E-M1
 200〜300万画素が主流の頃、150万画素だが、手ブレ補正付き10倍ズームを装備、毎秒15コマの撮影、撮影前後を記録するプリキャプチャーなど特殊なスペックを持っていたE-100RS。定価16万だったが、5万で投げ売りされているときに買った。今ならOM-D E-M1 Mark IIで同様なことがより高度にできる。
 気軽にいつでもどこでも撮れるという意味では最強だったカード型エクシリム。今では携帯に取って代わられた。
 
 ついでに、持っていたフィルムカメラ。アスタリスクを付けた機種だけが新品で買ったもので、あとは中古。こちらは単にメーカー別。
  • オリンパス XA2*
  • オリンパス XA
  • オリンパス μ*
  • オリンパス OM-1n
  • オリンパス OM-2
  • オリンパス OM-4Ti*
  • オリンパス OM-10
  • オリンパス PEN S
  • オリンパス PEN EE3
  • 安原製作所 安原一式*
  • コニカ C35 FD
  • コニカ TC-X
  • コニカ パールIII
  • ミノルタ X-7
  • ミノルタ α8700i ミール仕様
  • ミノルタ ハイマチック
  • 富士フイルム フジカ ST801
  • 富士フイルム カルディア・トラベルミニ・デュアルP
  • ヤシカ エレクトロ35GX
  • キヤノン オートボーイ F-XL*
  • 学研 二眼レフ*
 最初に買った中古カメラ、コニカC35 FD。小型ながらF1.8の明るいレンズを持ち、シャッター優先AEで露出が選べる。写りも大変よろしい。この写真にはExifがないが、おそらくDSC-F1で撮っている。画質が悪いのはそのせい。
 ワインダーとマクロフラッシュを装備し、最強に強まったOM-4Ti。E-100RSで撮影。

ビクーニャEXの4Cリフィル

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 ボールペンのごろごろぬたぬたした書き味が嫌いなんだけど、水性ゲルインキのハイテックC細字は、すらすらかりかりして塩梅がよく、書類の記入欄の「こんなとこに書けるかよ!」みたいな狭い枠内に書けて喜んだけども、油性となると評判のいいジェットストリームでさえ「やっぱりボールペンだなあ」と思っちゃってダメだったのが、油性最低粘度のビクーニャだとアリになった。
 
 持ち歩きにはずっとロットリングのトリオペンを使ってた。これは普通の油性ボール(とシャープペン)。打ち合わせでカラーコピーのラフに書き込もうとするとインクが乗りにくいことがある。昔のラフは手書きだったけど、今はプリントアウトが多くて問題化してきた。これがビクーニャだといけるんですよ。
 
 でもビクーニャは見てのとおりというか、多くの文具がそうであるように人前で使いたくないルックス。無印のなめらか油性ボールペンは中身がビクーニャらしいが、これだって良くはない。
 もうちょいマシな新製品は出てないか調べてたら、ビクーニャEXのリフィルが4Cらしかった。4C芯ってのは共通規格で、トリオペンもこれ。
 世界堂行って「ボールペンのリフィルはどこにありますか」から始まったやり取りで、4Cにも相性があるが本体持ってたら確かめてくれるとのこと。持ってた。ちゃんとはまった。買った。店員さん親切。トリオペンがビクーニャになった。これで打ち合わせ無問題。打ち合わせたいていネットで済ませて外出ること滅多にないけど。
 
 あと俺の好きな黄緑のシャープペンがステッドラーから出てたんで1年ほど前に買うた。お堅い製図用でビビッドなプラスチックってのがいい。

T8リングフラッシュ

T8
 昨日のついでにちょっと変わったものを。
 OMシステムはマクロに強く、マクロ用のフラッシュも複数用意されていた。どれもレンズ先端に取り付ける。T10リングフラッシュはごく普通のリングフラッシュ。T45ツインフラッシュはカニのハサミみたいに、角度の変えられるふたつのフラッシュを取り付けるもの。オリンパス独自のものだったと思うが、最近はよそからも似たようなのが出てる。
 で、うちにあるのがT8リングフラッシュ。上は取り付けて正面から見たとこ。
T8
 横から見るとこう。レンズ先端のフラッシュは横向きに発光し、アルミの反射板で拡散される。簡単に無影撮影ができる。凝って撮るならツインフラッシュの方が陰影コントロールできていいんだけど、モデリングランプ用の電源も必要だったりで大変。T8は学術用途向けらしいが、楽にそこそこ綺麗に撮れて便利。
 反射板は大小ふたつ付いている。今回取り付けたのは大きい方。
T8

PowerShot S95

Canon デジタルカメラ Powershot S95 PSS95 1000万画素高感度CCD 光学3.8倍ズーム 広角28mm 3.0型液晶 F2.0 S100が出て型落ちになり、そろそろ底値っぽかったのでS95購入。まだあんまりいじってない。やっぱり格上のカメラはちゃんとできてるなあ、という印象。

 今まで使ってたのはFinePix F50fd。低感度での写りはいいんだけど、ISOオートは積極的に感度を上げてくるので使い物にならず、かといって自分でこまめに感度を変えるのも面倒くさいから200固定で撮ってた。
 我慢できなかったのは手ブレ補正。照明の効いた夜の室内くらいの明るさで、絶対にブレる。この辺の速度で手ブレ補正機構がキックバックを起こすらしい。オフにした方がマシ。
 それと、発色に独特の癖があるのがだんだん気になってきた。

 S95買って問題が解消したうえに、いろいろ楽になった。標準域で撮ることが多いため、レンズ外周のリングでステップズームできるのがありがたい。前回の焦点距離で起動するから、50ミリのまま使い続けることもできる。露出補正も背面ダイヤルでいきなりできて便利。
 AFエリアはセンター固定で使っている。F50fdも、その前に使っていたLumix DMC-FX7も、センターといっても測距エリアが広めで、思ったところにピントが合わないことがあった。S95はAFフレームサイズ小に設定しておけば、ちゃんとセンターに合う。
 もともとウェブに上げるときはレタッチしてたから、ロウ現像も面倒はなく、むしろ歪曲収差のプロファイルがあったりで手間が省ける。

 下はなんでもない試し撮り。クリックで拡大。小っこいカメラでこんだけ写れば立派。電線がフリンジ出てもにょもにょしてるけど。階調がのっぺりして立体感がないのはコンパクトの限界か。
 赤がくどいが、現像時のプロファイルをニュートラルかアドビスタンダードにすればすっきりする。ロウ現像初めてだからいろいろいじってみないと。
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場所とか

■ウチから三鷹へ行くときは、千川上水沿いに西へ行ってから、武蔵野市役所の前を南下する。
 千川上水ってのはこんなん。ちょっとした春の小川。横が畑だったりして、23区内とは思えない呑気さ。
1005_senkawa.jpg  武蔵野市役所周辺も、グラウンドや体育館なんかが集まってて晴れやかで、大きな街路樹が並んでる。
 天気のいいとき自転車で走ってると気持ちいい。おいしいもの食べたとか、いい曲を聴いたとか、そんな感じに似たものがある。
 どっか外国の、都市計画と自然保護がしっかりしたところに住んでたら、こんなもんじゃないんだろう。日常受け取るものがかなり違うんだろうなと思ったりする。
 
 単に自然が多いということなら地方に住めば良くて、でもそうせずに、わざわざ都心部に住んでる時点で、自分の中のプライオリティーが低いことになるが。
 いがらしみきお『かむろば村へ』で、主人公のタケが、郷土料理オタクのみんちゃんのところへ行って、飯を食わせてもらうシーンがある。朝、急に押しかけて出てきたのは、里芋の茎の味噌汁と、ご飯と、大根の漬け物。
「オレビンボだけど いいもの食ってるなぁ〜」
「タケちゃんは うまいうまい 言ってくれるから。」
「え? みんなはうまいとか言わない?」
「田舎の人はね、うまい時は黙って食べるの。」
「そう言えばみんな黙って食べてるよね。」
 都会から来たタケと、もともと住んでる人で、ご飯への接し方が違う。うまいとき黙るのは、感覚的にわかる。説明しようとすると、つまんなくなるのでやめとく。
 “田舎では普通の、うまいもの”があるとする。タケがその“ビンボだけどいいもの”を喜ぶのは、都会では普通じゃない珍しいものだからで、もうひとつはタケが田舎を選んで越して来たからだ。都会を選ぶ人は、田舎に当たり前にあるいいものとは違ういいものを求めて都会にいるわけだから。
 あれ? 引用までしといて、何が言いたくてこの部分を書き始めたのかわからなくなってしもた。
 
 あんまり関係ないけど、最近“パワースポット”って言葉をよく目にする。なんか「元気もらいました」に繋がる気がして感じ悪い。
 前も書いたけど「元気もらいました」ってもともと、歌手とかスポーツ選手とかが、ファンに対して言う言葉だったんじゃないかな。本人に届いてるのか、意味があるのかわからない応援に対して、届いてますよ、あなた方の声援があるから私は輝けるのですよと。
 ファンの側が「元気もらいました」って言うと、主従というか上下が逆転する。「あなたの行動や作品は、この私の得になりました」になる。あんた何様で、なんでいちいち損得に勘定するのかと。
 昔から作品や有名人の行動に勇気付けられることはあっただろうけど、こんな気持ち悪い言い方してなかったと思うなあ。
 そんでパワースポット。そこへ行くと気分が良かったり、神妙な気持ちになったりする場所はある。そこで感じるのは大きな存在に対する畏敬の念だと思うが、その辺が軽くて、元気もらったり癒されたりの、“私の得”に収められてる気がする。

江ぐち→みたか

1005_mitaka1.jpg ■今年の頭に閉店した三鷹のラーメン屋、江ぐちが、“みたか”の名で復活したんで行ってきた。閉店のとき書いたのはこれ
 ちょっと行列できてて、並ぶの嫌いだから一回出たんだけども、実は前の日も来てて、3時くらいまでやってるだろうと思ったら2時で終わってて食えなくて、ここで帰ったら二日連続何しに三鷹まで来たんだかわからんので並んだ。食った。うまかった。満足。
 若い人4人でやってた。オープニングで忙しいから一時的なヘルプの人もいるのかな。
1005_mitaka2.jpg  スープ品切れで張り紙出したり。こんなん見たことなかった。調度昼の時間が終わる頃だったけど。
 三鷹に住んでた20年前の江ぐちは、カウンターだけのラーメン屋が普通そうであるように、どちらかと言えば殺伐としてた。今みたいに店員の方からフレンドリーにギャグ飛ばしてくるなんてことはなかった。昔は昔で良かったし、今は今で良い。
 すっかり若い人に入れ替わって、また違うことになりながらも、こういう小っこい店が続いていくのは凄いなあと思って、チャーシュー食いながらちょっと泣けてきた。

-451℉

■Zine+CD『華氏マイナス451度』が届いた。これ、なんて言ったらいいんだ。「ガツンとやられた」みたいな言い方があるけども、それに似てはいるけどそんなにわかりやすいことになってなくて、ぽかーんとしているみたいなことになってるので感想なんて書けないんだけど、俺的には事件なのでやっぱり書いとこうと思って、いっそもういつも以上にちゃんと文章にしないという方法で書く。
 Zineって手作り的なイメージがあって、そういうのも面白いんだけど、これめちゃめちゃしっかりしてる。質感が重い。最初の感想が「なんでこんなものが作れるの?」。写真集って写真を見せるのが目的の容器だけど、これは物体としてできてる。変な物体。中身と形態に主従がないというか。そんでCDサイズだから本とCDも分離した感じがなくて、CDとして見ても変な物体。手に取ると、ぽかーんとしてしまう。ぽかーんとして「うーん、なんだこれは」と思いながら見てて、なんか感想言うとしたら「凄い」くらいしか出てこない。いやもう、凄いっす。
 音楽は先行してEPダウンロードして愛聴してたんだけど、夜ひとりで部屋にいるときの頭の動きに似てる。ちょっと切なげで可愛くてきりっとしてて沈みつつ覚醒して。大変に好き。外で聴いてて周りの音と混じった感じもまた面白い。
 もし曲がガツンとしてたら「ガツンとやられた」に近いことになったかもしれないけど、曲とあわせて冷静に拡散して、感想がさっくり出てくるわかりやすさから外れて面白くなってるような。
 とかやっぱり書かない方がよかったんじゃないか感があり。とても良いものを買った感があり、それをなんと言っていいのかわからない感が強し。