投稿者: ふじり

  • 釣りに行った

    0610_katshuo.jpg
    0610_tachiuo.jpg
     
     今日から3日間、3食魚。カメのごはんも毎日魚。

  • 世界の孫

    世界の孫 1 (1)SABE『世界の孫』1巻
     妹キャラを超える孫キャラ。今のところ通しのストーリーはないっぽい。キャラで押すぶん、これまでの作品よりキャッチーかも。
     絵が上手いのが変な感じ。普通、上手い絵、上手い表現は、表現する内容のための手段だが、内容つっても変なキャラが変なことやってるだけのマンガだし。ジャケの絵も凄い良くて、良い分だけ変な感じ。いやもちろん、変で面白いです。
     
    鈴木先生 1 (1)武富健治『鈴木先生』1巻
     評判いいみたいなんで買ってみた。面白かった。教師が合コンで知り合った人と付き合ってるって時点で、ちょっと違うなって感じがする。等身大っていうか。扱ってる問題が細かい。問題の扱い方も細かい。「デリケートなことだからさ」。小川蘇美は今後も悩ましい存在であってほしいな。
     表情とか構図とか変に大げさなとこは、ちょっと昔のマンガっぽい。
     
    橋本治『失楽園の向こう側』
     ’00〜’03年にビッグコミックスペリオールに連載されたエッセイ。見かけて、内容も確認せずに買ったが、これまた面白かった。特に前半。

  • ヒミズとシガテラ

    ■マンガ喫茶で古谷実『ヒミズ』『シガテラ』読んだ。
     『ヒミズ』は「なるようにしかならない」で、『シガテラ』は「なるようになる」、みたいな話だった。シガテラのラストは地味っちゃ地味だけど、こうでしかないんだろう。
     シガテラには明るいノリもある。不幸の予感はあるものの、決定的にマズいことにはならない。一応ハッピーエンドで終わる。けどもどっかで、ヒミズみたいな方向に、なるようになってしまう可能性はあった。ただこの話はこう終わるように描かれたということかもしれず、だから後味は良くない。
     
     どっちも人殺しが身近にある。
     ヒミズでは主人公が人を殺してる。殺すには理由があったし、殺したことで話が進んで、オチもある。だからこの殺しについては、わりとすっきりする。全編シリアスでしんどい話だが、こういうのには慣れている。けど友人の方は単なる強盗殺人で、発覚しないままうやむやになってる。これは気持ち悪い。
     
     人を殺しちゃって、でも発覚してなくて、不安やら罪悪感やらに悩まされる夢を見たことがある。
     よく見る夢がある。気がつくとなぜかパジャマで外出していて、バツの悪い思いをする夢。誰もパジャマについて何も言わない。なんかバレてないっぽい。でも俺は自分がパジャマだと知ってるから、おどおどしてる。早急に着替えなきゃいけないが、どうしよう。
     普段あまり意識しないが抱えてる、「俺はみっともない」っていう不安みたいなものが、なんのヒネリもなく夢になって何度も出てくる。パジャマなんて持ってないのに。
     そんで人殺しのあとの変な気持ちと、パジャマのバツの悪さが、よく似てる。
     
     「あのヤロー殺してやる!」とか思って、頭の中でシミュレーションが展開することはある。実行には移さないが、頭の中では起きている。
     犯罪はともかく、悪いことを実際にやってたりもする。「あの時、あの人に悪いことした」とか。恥ずかしい失敗も含めて、過去にバツの悪いことがたくさんある。
     子どもの頃は親から禁止されてることがたくさんあった。ダメだっていうのにやっちゃったりした。バレないとバツの悪い秘密になる。いいことか悪いことか判断が付かないけど、いけないんじゃないかと思って秘密にしていることもある。自分からしたんじゃなく、いけないことに出くわすこともある。子どもの頃の記憶は、そのうち夢だかなんだかわからないぐちゃぐちゃになって、バツの悪い思いが奥の方に沈んでいく。
     なにかおかしなことになって、分別ある大人であるはずの俺が、夢だか現実だか分からない境目で、大人にふさわしい規模の大変なことをしでかしちゃうんじゃないかっていう不安がある。いや、普段そんな不安は抱えてないけど。そういうお話があれば、いくらかキャッチーでリアリティーのある話だと思う程度にはある、ということで。酔うと記憶なくすし。
     
     シガテラの人殺しは、主人公と距離のあるところで起きてて、はっきり描かれてもいない。主人公自身は普通の人だから、自分じゃ異常なことをしてない。最後の方でアートみたいなことをやりかけても、結局失敗してる。
     でもバツの悪いことはやってる。小っこいけども、浮気だとか、携帯で撮った彼女のマンコとか。彼女の方もみっともない浮気みたいなことをしてる。
     とりわけ後味が悪いのが、友人が主人公の彼女に薬を飲ませてレイプしようとする話。きっかけは主人公が撮った携帯のマンコ画像を、友人が偶然見てしまうこと。バツの悪い秘密が外に漏れる。友人はいいヤツで、悪いヤツからレイプの話を持ちかけられたとき一度は怒ってる。彼はそんなことするヤツじゃない。なのに踏み切ってしまう。境目を超える。彼女の方は薬で眠ってる。現実が分からない状態にある。結局彼は踏みとどまるが、共犯者の方は見てないところで続けようとする。で、その結果がはっきり描かれない。姦られてないと解釈するべきかもしれないが、曖昧さが気持ち悪い。境目の上でむにゃむにゃしたまま、もの凄いバツの悪さを抱えて、このエピソードはさっくり終わってしまう。
     いいヤツである友人は見た目も良くて、レイプを持ちかけたそのまた友人は見た目からしてゲスに描かれてる。これは一人だったりするのかもしれない。よくある人の中の天使と悪魔みたいな。
     
     ヒミズの主人公は自分の不幸を人殺しとしてかたちにするが、シガテラの主人公は「人を不幸にする」存在ということになってる。バツの悪いものが、外に沈んでいく。外も主人公の世界。
     シガテラの人殺しは、いじめっ子がキチガイを殺すというもの。いじめっ子は悪いヤツでバカで嫌われ者だが、結構かっこいい。身に降りかかる不幸を文句も言わずに引き受ける。ヒミズの主人公に近い。こいつが殺したおかげで、キチガイを連れてきたいじめられっ子は、やっかいごとから逃れられた。シガテラの主人公は、このいじめっ子に対し「お前とは関係ない」と叫び続けることで、ヒミズの主人公が望んでも得られなかった普通の生活を手に入れる(だからシガテラの主人公は普通以上に幸せであってはならず、地味なラストに落ち着く)。
     単純には「いじめられっこが危ない目にもあったりしたけど可愛い彼女のおかけでちゃんと大人になった」って話だが、「バツの悪いものは外に捨てて大人になりました」でもあるのかな。最後にドカティ欲しいって言うのは、若い頃の毒を取り戻すってことだが、矮小にも思える。なんにせよ、「いい話」にはなりようがない。
     面白かったけども、それは自分の不安と同調する部分があるからで、俺の場合こういう種類のリアルに向き合うのはよろしくない感じがする。作者は大丈夫なのかな。

  • 『80年代の正体!』

    cover宮沢章夫『東京大学「80年代地下文化論」講義』(→感想)読んで気になったんで、別冊宝島『80年代の正体!』を古本屋で買ってきた。今となっては読む意味ないですな。当時もなかったかもしれん。
     「それはどんな時代だったのか ハッキリ言って「スカ」だった!」と副題にあるが、単なるキャッチでしかない。編集方針に沿って、全体に批判的なトーンになってはいるけども、ハッキリとスカだと言われてる感じはしない。っていうか、何を言ってるのかわからない文章が多い。なにより『80年代地下文化論』が擁護した「ピテカン的なもの」、西武セゾン文化に対する、まとまった批判がない。
     ’80年代に新しく起きたことを’90年時点で振り返って分析してるんだけど、その対象が今となっては新しくもないし特別でもない。当たり前になってる。コンビニ、デオドラント、健康、モラトリアム。今も普通にある。
     だからって、今も通用する内容だったりもしない。語り口が古くさい。「コンビニエンスストアの空虚さ」とか言われても「はあ?」みたいな。
     どんなスタンスから、誰に向けて誰を批判して、どこに落とすつもりの文章なのかが、今読むとへんてこだ。「大衆」って言葉が妙に目に付く。なんか、体制・大衆・文化人っていう切り分けがあるっぽい。体制からも大衆からも離れた文化人が書いた、体制と大衆を分析して批判する文章を、一体、誰が読んでどう役立てるのか? 「批評家ワナビーが分かったようなことを言うために読む」しか思い付かないんだけど。昔はこんなんが多かったのかね。今もやってる人はいるんだろうけども。
     「’80年代はスカだった」と言い出したのは誰か、となると、やっぱり(考え方が)古い世代の人ですよ。オタクは関係ない。
     面白いところの少ない本で、’80年代風俗を振り返って懐かしさを楽しむにも辛い。でも、「フリーター」って言葉も、その「自由な生き方」も、リクルートが『フロム・エー』のキャンペーンで作り出したものだってのはすっかり忘れてた。あと広瀬隆『危険な話』で騒いじゃったクチなんで、批判されて恥ずかしかった。あれは、なかったことで、ひとつ。
     「バブル」って言葉が出てこないのな。’91年までか。いとうせいこうが『MESS/AGE』で「もう来てる それは泡の時代」とラップしたのは’89年だが、これは関係ないか。

  • 江ぐち

    小説 中華そば「江ぐち」江ぐち食いに三鷹行った。久しぶり。昼時は避けて行ったが、土曜だし5人待ち。知らない若い店員がいた。なんか前よりアットホームになってる感じがした。
     
     上京したての頃、三鷹の友達んちに遊びに行ったとき、江ぐちの暖簾が目に入った。「この江ぐちって、ガロに載ってたあの江ぐち?」と訊くと、「そうですよ。でもマズいですよ。地元の評判悪いです」。
     当時(’85年くらい)久住昌之がガロで連載してるエッセイに江ぐちのことを何度か書いてて、この店を知っていた。地元の久住昌之が「旨い」って書いてたのに変だなと思った。
     この時の三鷹の印象が良かったんで、翌年引っ越して、俺も三鷹住民となった。取りあえず、江ぐち食ってみた。なるほど「旨いラーメン」と言われて期待するのとはかなり違うものが出てくる。スープはわりと普通の東京風だけど、麺が独特で日本蕎麦みたい。っていうか、’06年現在でも五目そばが550円だから、本格的なものを期待しちゃいけない。旨いとも思わなかったが、マズいとも思わなかった。そんでまた行って、3回目くらいで旨いと思うようになった。「マズい」と言った友達に「慣れると旨いぞ」と伝えると、そいつも食うようになった。
     そのうち駅前再開発が始まって、頑固に立ち退きを拒否したタバコ屋が燃えたりして、再開発とは関係ないかもだが、ドクター・ペッパーを飲みながら手羽先食ったりしてた『ゲームセンター・にのたか』もなくなって、初めて来たときのいい印象は半分くらい消えちゃって、俺は別のとこに引っ越した。
     三鷹は特別な用がない限り行かないとこだから、引っ越しちゃうと江ぐちも食えず。たまに吉祥寺に行くとき、ひと駅移動して寄る程度。
     再開発が終わったばかりのとき行ってみたら、「確かに綺麗になったし、これはこれでいいのか」とも思ったが、今日行くと新しくできた施設も古びてきているアインシュテュルツェンデ・ノイバウテン(=崩壊する新建築)な感じで、結局のところ魅力だけ失って何の意味もなかったように思った。
     
     住んでたアパートに行ってみたら、駐車場になってた。アパートまでの道が変な感じ。見覚えのない建物が実際に新しく建ったのか、単に忘れてるのか、はっきりしなくて混乱してくる。
     夢に具体的などこかが出てくることは少なくて、記憶から合成された夢独自の場所がほとんど。似たような景色が何度もでてくることもある。
     曖昧に知ってる景色と、知らないけどありがちな景色が混じってる状態が夢の中みたいだった。

  • パーマネント野ばら

    パーマネント野ばら西原理恵子『パーマネント野ばら』
     これは凄い。「凄い」ってのもなんか違うな。まあ、言葉がないっすね。良い作品に対しては、良いとしか言えないことが多いな。
     
    ■ちなみに、書評みたいなことには全然モチベーションが湧かない。まず、内容の紹介がめんどくさい。それに内容書いちゃうと、読んでる人がそれで済ましてしまうことも考えられる。いい本ほど、それじゃイヤだ。
     マンガの場合、読んだ方が早い。値段が安いものが多いし、すぐ読めちゃう。コストがかからない。レビュー見てじっくり検討する必要性が薄い。そんで、いくら面白いと言われても絵柄でダメな場合もあるから、見てみないとわかんないし、見ちゃえば読むのも早い。青ブックとかなら立ち読みで1冊読めたりする。
     『失踪日記』とか『刑務所の中』とか、「こういう内容の本です」と説明されれば即、読みたくなるものなら、存在を伝える情報は有用だけど。
     俺の場合は「あの人とこの人が褒めてたから読んでみよう」みたいな買い方をする。どういう褒め方をしてたかも重要だけど、副次的な要素かもしれない。信頼できる人が褒めてさえすればいい。だから自分でもレビューをやる気がしない。
     一般に批評と呼ばれてるものは、3種類に分けられると思う。お買い物ガイドと、解説と、それ以外。俺は「それ以外」にしかモチベーションがない。で、それはたまにしか書けない。書けないときは「凄い」とか「面白い」だけ言っとけばいいと思ってる。
     
    Wiiの「似顔絵チャンネル」をFlashで体験 – Engadget Japanese
     
    0610_mii.jpg
     
     うーん。似てるような、似てないような。

  • Perian

    Macの手書き説明書このエントリーで知ったPerian、flvファイルがQTプレイヤーで再生できて大変便利。
     
    カイミ・ヴィジタ・トム(紙ジャケット仕様)ルイス・ボンファ『ボサ・ノヴァ』とか、『カイミ・ヴィジタ・トム』とか聴いてると、「俺は一体、何を聴いてるんだろう」って気がしてくる。普通、ロック、ポップス、R&Bの類を聴くわけだけど、なんだかそこからずいぶん外れた音楽を聴いてる感じ。『カイミ・ヴィジタ・トム』はボーカルが美声を響かせる古いタイプで抵抗があったんだけども、慣れれば曲の美しさがたまらなくなってくる。そんで聴いてるうちに美声の良さにも馴染んでくる。エレンコの紙ジャケの中では比較的余り気味で、アマゾンにも紙ジャケの在庫がふたつある。興味ある人はお早めに。

    494 Name: 名無し音楽放浪の旅 [] Date: 04/10/05 20:42:16
      [   ]がそのスタイルを生んだ[   ]の命名者でもあり、
      その確立に手を貸した[   ]は、
      アカデミックな音楽教育を受けつつポピュラーの世界に
      足を踏み入れて行きました。
      その後[   ]のスタイルが一般化したのち、
      彼はそのスタイルにこだわらない活動をしました。
      音楽的にはドビュッシーなどの影響も強く受けています。
     
     
      カッコ内に入る語句を選べ。(配点25)
     
      A.C.ジョビン 細野晴臣 ボサノヴァ 坂本龍一
      ジョアン・ジルベルト テクノ

     ジョビンスレからのコピペ。モレレンバウム2/サカモトはこういうことか。クラシック関係全然わかんないんだけどドビュッシーとか聴いてみようかなあ。
     
    イミフwwwうはwwwwおkwwww 新ジャンル「現実」
     なかなか。