これは面白い。少年誌としては過激な内容。掲載誌の『ガンガンパワード』を少年誌と言っていいのか微妙ではあるが、一応フルネームは「少年ガンガン増刊パワード」。スタイルはいわゆる「美少女コミック」で、ヤってるシーンをちょいと足せば、そのまま成年向けになりそうに見える。
けどこれ、男がいないんだよね。ヤりようがない。男の子も出てくるけど、力点はみかの羞恥心にあって、男キャラは羞恥心を高める道具でしかない。ハラスメントするのは人間の男じゃなく、犬か女か女神。いじめてる作者と読んで喜んでる読者は確かに男でSだ。しかし、女の子である「私」の恥ずかしい気持ちにウェイトがいきすぎてるから、感情移入の対象は性別がひっくり返った女のMになる(書いてて思ったが、SMってもともとこういうものなのか?)。
加えて、「罰を与える」観念が濃ゆい。罰として恥ずかしい思いをさせられてる。洗脳で自我を壊す話もあって、しかも結構リアルだったりする。きわきわまで追い込む話をやっちゃってる。
変態とはヤる手前で迂回することだ。コスチュームとかシチュエーションに凝るのってそういうことじゃないすか。この作品の場合、ヤらない前提の少年誌だから迂回せざるを得なかったわけだが、結果的にヤるよりよっぽどマズいことになってしまった。「少年誌なのに」とか「園児プレイ」とかカテゴリー分けでもって過激だなんだってレベルじゃない。これは本物ですよ。素晴らしく曲がっている。
前に「重版ないの?」と書いたけど、もう4刷だった。現在、アマゾンじゃまた品切れ中。どこに出回ってんの? 秋葉か?
検索してこの作品はもともとアキバBlogで広まって、重版の情報もあることを今知った。あー。俺、アキバBlog、あんまり見ないからなあ。俺が知ったのも元を辿ればアキバBlogなんだろうな。
カテゴリー: マンガ
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水兵きき『みかにハラスメント』
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買いマンガとか
・帯ひろ志『やわらか忍法SOS』2巻
子ども向けエロ。のっけから金玉金玉言ってる。あと、屁で攻撃。そんで「いや〜ん」とか「きゃー!」とか。いいなあ。癒される。
・かるま龍狼『かる〜まミルク』
成年向けエロ。この人、絵が可愛くて話が脳天気で好きなんだけど、単行本買ったのは初めて。やっぱりいいな。
・やぶうち優『ないしょのつぼみ』1巻
作品としてはなんらモンド性はなく、至極真っ当なので、騒いでるのが虚しく感じた。
最初の注文は品切れでキャンセル。重版出たから買った。水兵きき『みかにハラスメント』買い損ねてんだけど、重版ないのか?
・そば屋で高橋よしひろ『銀牙−流れ星銀』、中華料理屋で土山しげる『喧嘩ラーメン』読み中。どっちもオモロい。 -
ジョージ秋山『ラブリン・モンロー』
酔っぱらった勢いで注文した『ラブリン・モンロー』8巻と10巻が届いた。結構なプレミア付いてた。もともと全巻持ってたんだけど3冊なくなってまして、あと最終巻である13巻がない。
やっぱ面白いわー。大戦中のヨーロッパが舞台で、キャラは動物。「ナチツ・ドイツメ軍」は狼。主人公はブタ。娼婦ラブリンが大統領夫人になるまでを描く「聖豚女伝説」。
ラブリンは3頭身のブタなのに、いつも通りねちっこくエロく描かれてる。こんなん、ポップなんだかモンドなんだか……。動物がヤってる絵ってパロディではよくあるけど、このマンガはマジだし。
動物にかこつけて普通じゃやりにくい表現してたりもする。こんなの。終わりの方じゃ宗教色濃くなって大変なことになってる。こんなの。
「第一部・完」で終わってはいるものの一応はオチてるし、ここまででも十分大作。ジョージ秋山は変な終わり方するのも、あんまり重版されないのも普通だったりするが、本作の場合、確か有害コミック規制の影響があったはず。続いてたらどうなってたんだろう。
他のジョージ秋山作品にないキャッチーさがあって、なおかつジョージ秋山らしい濃さも十分で、エンターテイメントとして破綻が少ない、いい作品なんだけどな。復刊されんかなあ。 -
おおめ裕一『未来ちゃん旋風』1〜2巻
古本。’92年初版、月刊少年ジャンプ連載。検索してみたらプレミア付けてるとこがある一方、HMVで普通に売ってるみたいだな。
人が放つオーラを衣服は吸収していいて、ヒロインはそのオーラを感じることができる。空手家の胴衣を着れば空手が使えるようになるなど、服の持ち主の能力が自分のものになる。下着を着けない方がよりオーラを感じられる。脱がされちゃえば能力が失われ、ピンチに。この設定は非常に良い。血の繋がらないヘタレのお兄ちゃんとのコンビもいい。だけに、設定を活かしきれてないのが残念。絵柄も惜しい。 -
きらたかし『赤灯えれじい』1巻
エロ本編集者の憂鬱と希望と第弐齋藤 土踏まず日記を見て、取り敢えず1冊購入。これは面白い! 続きも買おう。
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三家本礼『巨乳ドラゴン』
「ゾンビ軍団 VS 5人のストリッパー」って、映画なら低予算の作品しかありえないわけだが、わざわざマンガでそんなものを。しかも「悪趣味=いい趣味」的なある種のスノビズムに収まりようのない絵柄と気合いで。こういうものの持つパワーがホント好きなんだろうな、この人は。素晴らしいです。