DVD

amazonタナカカツキのタナカタナ夫DVD
 キレイな金魚のパケだけど、たなびく曲線はフンだという……。
 なんか涅槃げですな。空飛ぶ子供の映像なんて、向こう側の世界からこぼれてきちゃったような、向こうに呼ばれてるような。夢見てるのと起きてるのの間のような。ディック風に言うと入眠時幻覚みたいな。パノラマの作品なんかも、視線が凄く遠くにある感じがする。死んじゃってる人の視点。
 
コンゴトロニクス2
 DVD付きCD。親指ピアノ(こういうの)を電気増幅して奇っ怪な音に。遠くまで音が届くようにアンプに繋いだそうで、もとの玄妙な響きはなくなってる。曲によってはミニマルテクノみたいにも聞こえる。ボーカルもなんだか割れててマーク・スチュワートみたい。前のコンゴトロニクスは1バンドで1枚で、面白いけど聴き通すのしんどいかもなーとパスしたけど、2はオムニバスで楽しい。
 DVDがですね。生というか、映像的にあんまり凝ってなくて、現地の状況そのままなんですね。いわゆるミュージックビデオとあまりに違うんで軽くショックだった。
 日本人は多分、世界一小綺麗だと思う。特に女の子。それはチェック項目を満たさないと後ろ指さされるってことでもあって、あんまり良くないと思うんですよ。「エコ」っていう名目ができるまで過剰包装がやめられなかったこととか、やたら完成度ばっかりを問題にするのとかも関係してて。
 そんな小綺麗を嫌う俺が見ても、小汚いのな。軽くショックなほどに。美人ダンサーもいるんだけど、あなたが頭に付けてるひらひらした飾りは、カセットテープちゃいますの?とか。なんかお腹にデコボコがある人がいて、腹筋にしては妙だし、病気ちゃいますのん?とか。パーカッションの台がビールケースだったり、それ以前にビンが楽器だったりもするし。それで慌ててホワイトバンド買いに行くとか、そういうことは全然なくて、まー正味、珍しいんですよ。いろいろと。
 テレビとか映画とかも含めて、映像見るのめんどくさくてあんまり好きじゃないんだけど、やっぱ見なきゃダメだなーと思った。

カルトーラ『人生は風車〜沈黙のバラ』

0601_cartola.jpg■アマゾンにないからタワレコにリンク。って、今気付いたが3800円もするのか!? 2枚組でもない国内盤だから、こんな変な値段だとは思わなかった。ほかのと一緒にレジ持ってって、なんか高いなとは思ってたんだけど。
 
 中身は大変に良かった。酒焼けしてそうなサングラスのおっさんがサンバの巨人なんだそうで、さぞかし土臭い音なんだろうと思いきや、メロウで優雅。うっとり身悶えしそうに心地いい。って言うと誤解されそうな感じだけど、どう言えばいいのかわからない。なんの影響を受けて、どんな経緯でこんな音になってるのか、そもそもよくわからん。
 それにしても、テクノやらロックやらR&Bやらから遠すぎる。歌謡曲でもない。もちろんMPBなんだが、それをナシにして既知の音楽で近いものっていうと、形態的には小学校の音楽で歌わされたやつが一番近いんじゃないか? なんで俺はこんなの聴いてるんだ。
 『Ensaboa』って曲はマリーザ・モンチのCDで聴いたことがあった。アート・リンゼイのプロデュースで、坂本龍一とジョン・ゾーンが参加してる。あらためて聴くと、こっちの音の方がやっぱり馴染みがある。ロックやらなんやらに近い。面白いこともやってる。けど、オリジナルより良くなってるわけじゃないんだよな。単純にどっちがいいって問題じゃないけども。
 何かを一定の間隔で叩いて音を出すと、なんだか気持ちがいい。もっと音を足せば、もっと気持ちよくなる。そうやって複雑な音楽ができてったとして。けども形態が確立しちゃうと、その形態のマネのマネとかなっていくうちに、もともとの「なんだか気持ちいい」から外れていくこともある。新しいとか、かっこいいとかも、気持ちいいには邪魔かもしれない。情報として身に付けてきた「こういうのが気持ちいいんだ」に合致する音を聞けば、「気持ちいい」という出力を返すようになってたりするが、それはよく見るまえから、お花がキレイとか、虫がキモいとか、むしろかっこいいとか反射的に返すのと同じようなことで。
 なんかアレだな。最近、痛いことばっか書いてるな。まあいいや。そういうことを改めて思ったりしたと。新しいのもかっこいいのも好きだけど、この気持ちよさに勝てるのはなかなかないなと。

iTMSの買い物

■iTMSのニュースレターで紹介してたBound for Glory(→iTMS)、早速買った。細野さんも参加してるニューオリンズチャリティー。
 
■湯川潮音のメジャーデビューアルバムが出てた(→iTMS)。シングルで先に出てた曲は“アルバムミックス”になってる。こないだのシングルはちょっと好かん感じだったけど、アレンジ統一されて良くなってんだろうなあ。この機にちゃんとCD買う手もあるが、旧譜が気になってるんでお金はそっちに回すとして、新曲のみ飛び飛びで買った。
 映画『リンダリンダリンダ』のサントラで湯川潮音が『風来坊』歌ってんだけど、バラ売りしてくんないかなあ。
 
■Arto Lindsayで検索かけて出てきた曲も買った。テイ・トウワ『Flash』の中の曲(→iTMS)。もうひとつはジプシー音楽のリミックスらしきコンピの1曲(→iTMS)
 
■あと大場久美子『スプリング・サンバ』(→iTMS)

直径12センチ。虹色のディスクが奏でる原音の世界。

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■細野さん『パラダイス・ビュー』、坂本龍一『エスペラント』を中古購入。どっちも’85年発売。
 『パラダイス・ビュー』は同名の映画のサントラ。戸川純と細野さんと小池玉緒が出演してた。舞台は沖縄だけど、沖縄風の曲は少なくて、ガムランとかもっとプリミティブなエスノ風。BGMのせいもあって暑苦しい感じだったことだけ覚えてる。この映画、また観てみたいな。でも、つまんないかもな。
 『エスペラント』もエスノ風味。ミュージシャンは本人とYAS-KAZ、アート・リンゼイのみ。『Adelic Penguins』かっこいい。
 いやまあ、新譜追わないからって懐メロ追ってるわけじゃないですけども。っていうか、舌の根も乾かぬうちに新譜も買ってたりするけど。

心霊写真

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 よーく見ると左右まん中、上から1/4あたりに顔が浮かんでまして。これはこの現場で事故死した作業員とかじゃなくて俺なんだけどね。車のガラス越しに撮ったから写り込んでる。レタッチで暗部を持ち上げると凄え怖い。俺、こわー。
 
amazon■UA、結局買った。面白いことしてそうだから興味あったけど、ちゃんと聴くのは初めて。
 思ったよりJポップだなーと思った。で、最初の印象はあんまり良くなかったんだけど、2回目からは楽しんで聴けるようになった。
 目当ての『A Felicidade』はCMだとアカペラでストレートに歌ってる印象があったんだけど、半野喜弘のバックでくねくね歌ってる。これはこれでかなり面白いっす。あと、『トンネルぬけて』って曲がいい。原曲はボ・ガンボスだそうな。テイ・トウワの『Last century modern』はボーカルがUAに変わっただけで、だからどうなんだ、って感じ。
 
井上雄彦『リアル』5巻を買ったが、前の巻から読み返さないとわけわからんし、今忙しいので置いてある。そのくせなぜかSABE『地獄組の女』を全巻読み返してしまった。

ニッポンタカイネ

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■湯川潮音の新しいシングル、『蝋燭を灯して』をiTMSで買った。邦楽高いけど、パケなしDRMありの圧縮音源でよければ半額で買えるようになったのはありがたし。
 それはいいが、これ、凄い普通な感じなんですけど。2曲目はわりといいが、3曲目はちょっとひどいような……。
 クレジット見ると作詞は全曲本人。作曲は、1曲目がジェームス・イハ+本人、2曲目は本人、3曲目は黒沢健一とある。知らんのでコンピューターに訊いてみたら、スマパンの人とLRの人だった。はー。どっちも聴いたことないっていうか興味ないっていうか。喜ぶ人は喜ぶんですかのう。『緑のアーチ / 裸の王様』(→iTMS)は良かったんだけどな。
 
UAの『A Felicidade』がCDに入ったこれ。アナザー・ベスト・アルバムだって。買おうかなー。高いなー。

Don’t trust over なんちゃら

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amazon石川雅之『もやしもん』1巻買った。「貧弱な坊や」と呼ばれる主人公が綴る郷土色豊かなヒューマンドラマみたいなタイトルだが、実際は現代東京の農大物語。正直、このタイトルはよろしくない気がする。主人公は菌が見える特殊能力を持つ。
 カメ水槽の濾過で硝化菌、掌蹠膿疱症がらみで腸内細菌のことちょっと調べたんで、菌には親近感がある。1巻の方が専門的で面白い。2巻はキャンパスライフに寄ってるんでノリきれない部分もある。こないだ西川魯介『野蛮の園』3巻読んだときも思ったが、学生生活って内輪ネタだし、大学とかだと変な人間いたって当たり前だし、若さゆえのあれこれをあんまり肯定されてもなー、みたいな。
 
amazon■気が付いたら湯川潮音を一番聴いてる。
 最初聴いたとき、実家の自分の部屋に連れ戻される感じがした。実家にいた頃、つまり若い頃にはなんか、もの寂しさがあった。年食ってからだって寂しいこともあるし不安もあるっていうか、若いときより具体的で深刻な不安があったりする。解決した問題もあるが、新たな問題もある。正味、中年の俺様が抱える行き詰まりは若者の自意識過剰に発するそれを遙かに凌駕する最強に強まったどこに出しても恥ずかしくない醸し具合のぐちゃぐちゃどろどろであると胸を張って言える。だけどなぜか、もの寂しさを感じることはなくなった。
 『逆上がりの国』最初の曲、『3:15』を聴いたとき、忘れてたもの寂しさが、わーっと蘇ってきた。かつて自分がいた場所に帰ってきた。まあ、そこに帰るのはいいことじゃないかもしれんけども。
 詞の意味はよくわからんのだが、声がそっちに引っ張り込む。バックはストレートな、いわゆる良質なポップなのがちょいと面白みにかけ不満ではある。アート・リンゼイのプロデュースは合うと思うんだけど、無理な望みだろうなあ。
 
スタ☆メン面白いな。
 
■トピックごとにエントリー分けるのやめたら書くのが楽になった。