スポティファイで聴いてほしいアルバム5選

Cartola『Verde Que Te Quero Rosa』
 サンバの大御所カルトーラ、70歳前のサードアルバム。サンバっていうと、サンバホイッスルがピーピピ鳴ってやたらアッパーなのか、マツケンサンバみたいなのしか浮かばない人も多いと思うが、そんな人にこそ聴いてほしい。サンバってそうじゃなくて、こういうのなんですよ。
 
アート・リンゼイ『Prize』
 アート・リンゼイっていうとギターがギャギャギャとノイズを奏でボーカルは絶叫、みたいのしか浮かばない人も多いと思うが、そればっかりじゃないんですよ。聴けば聴くほど味わい深いスルメアルバムなのでぜひ。
 
湯川潮音『灰色とわたし』
 インディーズ時代の『逆上がりの国』が1番好きなんだけどスポティファイにないので、次点のこれを。
 
Keith Leblanc『Major Malfunction』
 キース・ルブランと80年代後半のもろもろというエントリーで紹介したアルバムが、まるっと聴けます。
 
スーパー戦隊シリーズテーマソングコレクションVol.8
 これは聴いてほしいというか、お好きな方には嬉しいアレで。
 俺の主張を聴けという「俺の歌」が一方にあって、コミュニティーの歌である「みんなの歌」がもう一方にある。
 アニソン・特ソンもわりと「みんなの歌」で。少なくとも観てた世代が繋がれる。大事なものだと思うんですよ。
 まあでも、もともと曲自体を聴く傾向があるので、つまんない曲はつまんないと思うんで、作品の人気が高ければアニソンの人気も高いのが納得いかなくてもやもやすることもある。例えば『残酷な天使のテーゼ』が私は嫌いなんですよ。あと、なんか普通のJ-Popで全然アニソンじゃないのもありますな。
 大体のアニソン・特ソンは、ちゃんと曲作れる人が作って、ちゃんと歌える人が歌って、クオリティー保ってる。サブスクでも聴きやすいかたちに整理してどんどん上げてくれるといいんだけど。と、いう意味で入れてみました。

俺の音楽の聴き方の偏屈さ

 音楽の聴き始めはYMOだった。YMOの次にはYMO周辺の音楽を聴きだす。ニューウェイブですね。ガイドになったのはFMでやってた坂本龍一のサウンドストリート。
 大阪のベッドタウンに住んでいたので、輸入盤屋というのは少し遠い存在だった。そんななかでも輸入盤に触れる機会をくれたのが新星堂だった。クレプスキュールなどの輸入盤を細野さんたちの推薦文付で売ってたりしてた。
 あと茨木市駅前に『親指ピアノ』というレンタルレコード屋があって、郊外の店なのにニューウェイブをガンガン入れててありがたかった。
 こと音楽に関していえば、’80年代は’78年頃から始まっている。YMOの1st.だって’78年だし。区切りがこの辺にある。
 ワイヤーは「ロックでなければなんでもいい」と言った。ニューウェイブの文脈の一部では、ロックはかっこ悪いものだった。
 ニューウェイブはなんでもありだった。なんでもありだから、なんでもあったけど、全体としては音楽に対する取り組みがあった。既存のスタイルに疑いを持って、なんか新しいことをしようとしていた。その結果できたものが、演奏技術や構成が未熟で、今となってはつまらないものだったとしても。
 
 ’70年代末にはもうひとつ動きがあった。ヒップホップだ。ラップというスタイルが出てきた。歌わない。ただしゃべってるだけではなくリズムに乗せてはいるが、歌が持つ力を捨てていた。ここで、「じゃあ歌ってなに?」って疑問が出てくる。朗々と歌い上げるスタイルが、テクニカルなギターのように、型にはまったうさん臭いものに感じてくる。歌というものをもう一度考え直させるものがあった。
 
 若い内は自意識過剰なので、アーティストの自意識過剰にも共鳴できた。が、年を取るにつれどうでもよくなる。それで興味は「俺の歌」じゃなく、コミュニティーの歌、「みんなの歌」へ向かう。一例が古いサンバだったり。サンバ大好き。
 新曲でなくていい。いい曲は何人が何度やってもいい。サンディーが歌謡曲を、細野さんが古いR&Bなんかをカバーしたりするのは良いと思うし楽しい。
 
 こんなふうに音楽を聴いてきたので、未だに音楽には「取り組み」を求めてしまう。そして俺にはロックの素養がない。単にキャッチーな曲、オシャレな曲にも反感を持つ。「いい歌」に対して身構える。
 どこかで聴いたような「新しい俺の歌」はいらない。

なんとなくベストアルバム10を選んでみた

1)Chega de Saudade/João Gilberto/’59
2)泰安洋行/細野晴臣/’76
3)Encontro Com A Velha Guarda (すばらしきサンバの仲間たち)/V.A./’76
4)Yellow Magic Orchestra/Y.M.O./’78
5)Cupid & Psyche 85/Scritti Politti/’85
6)Pacifica/Sandii/’92
7)Neoclassico/Patricia/’93
8)Prize/Arto Lindsay/’99
9)First Love/宇多田ヒカル/’99
10)逆上がりの国/湯川潮音/’04

 並びは年代順。
 1)ジョアン・ジルベルトは手に入るなら『ジョアン・ジルベルトの伝説』が3枚分入っててお得。
 3)『すばらしきサンバの仲間たち』はまともな値段で買えるうちに買っといた方がいい。
 6)サンディーは『Mercy』『Come Again』『Pcifica』『Dream Catcher』、一連の作品全部いい。代表で『Pcifica』。
 7)のちのパトリシア・マルクス17歳のときの作品。日本人プロデューサーによるタイトルどおりのプロダクション。大変みずみずしい。
 8)聴けば聴くほど良いのでサブスクででも聴いてほしい。『Salt plus Two』もおすすめ。
 9)あとの作品ほど良くなる宇多田ヒカルだが、1枚選ぶとなると鮮烈だったこれを。
 最新のアルバムが’04年ってことは残り14年あんまり新譜追いかけてないってことでしょうな。

ケアフル・マダム

ケアフル・マダム アート・リンゼイ13年ぶりの新譜が出た! 日本盤だと2700円だが、アマゾンmp3なら1850円、iTSなら1800円。俺はCDで買うた。
 これまでのアート・リンゼイのソロは静謐なトーンだったけど、今度のは前に出てきてる感じ。電子音が攻めてるし、例のギターが聴ける曲も。詳しい解説と試聴は日本盤のリンク先で。

ブラジル1000円

ブラジル名盤・レア盤を¥1,000(+税) にて一挙限定リリース!
 80枚中20枚持ってた。ブラジル音楽好きな人には「20枚しか持ってないのかよ」と言われますな。まあでもこの20枚が1000円で買えてたなら……。
 
 その20枚中、ブラジル音楽に特に興味ない人にも勧められるやつを5枚ピックアップ。1000円なら買っといたほうがいいっすよ。買わないと損だよ。

  • Joao Gilberto: 三月の水
  • Herb Alpert Presents Sergio Mendes & Brasil ’66
  • Marcos Valle – Samba ’68
  • Clube Da Esquina: 街角クラブ 〜クルービ ダ エスキーナ
  • Joyce Moreno – Feminina

 
 個人的にはこの3枚も見逃せない。

  • Caetano Veloso / Gal Costa – Domingo
  • Doris Monteiro – Agora
  • Beth Carvalho – Andanca

 
 いわくつきの2枚。

  • Getz / Gilberto
  • Astrud Gilberto – Gilberto Golden Japanese Album

 1枚目はもっとも有名なアルバム。俺も最初にこれを買った。ただしブラジル音楽好きには評判がよろしくない。ボサノバといえばジャジーでアンニュイみたいなイメージが付いてしまった。いや、そうじゃないんだよと言いたくなる。
 2枚目はアストラッド・ジルベルトが日本語で歌ってる妙なもの。本家による歌謡ボッサみたいな。
 
 今回俺が買ったのは次の5枚。

  • Caetano Veloso – Joia +2
  • Caetano Veloso – Cores Nomes
  • Caetano Veloso – Livro
  • Ivan Lins – Somos Tudos Iguais Nesta Noite: 今宵楽しく
  • Toninho Horta

 名盤ですからハズレはなかったです。『Cores Nomes』は古臭い感じだけど。
 
7月23日に第2弾がリリースされる
 こっちは3枚しか持ってないすね。

  • Caetano Veloso – Estrangeiro

 これはお勧めです。アート・リンゼイとピーター・シェラー、要するにアンビシャス・ラバーズによるプロデュースでよろしいデキです。
 
 買う予定なのは

  • Nara Leao – Lindoneia
  • Caetano Veloso – Circulado
  • Milton Nascimento – Minas
  • Edu Lobo – Cantiga De Longe
  • Gal Costa – India
  • Doris Monteiro

Encyclopedia of Arto

Encyclopedia of Arto てんで新譜の出ないアート・リンゼイだが、ベスト盤が出た。半分は初出のライブ音源で、mp3が1500円なら買ってもいいんじゃないかと。
 試聴すればわかるようにソロになってからはメロディアスで、かつてのノー・ウェイブの影は薄いんだが、ライブになると流石というかキレてますな。これも弾き語りというんだろうか。いい感じ。
 
 ちなみに3年前にマーク・リボーらと共作で『Anarchist Republic of Bzzz』ってのは出てる。mp3はこちら
 さらにちなんどくと8トラにアート・リンゼイ関係の曲をまとめたので聴いてくだされ。こちら

イーノ

LUX [解説付 / アマゾン限定特典ポストカード付 / 国内盤] (BRC356) 80年代にはよく聴いてたのに、その後さっぱり聴かなくなったイーノ。なんとなく目についた新譜(って言っても去年発売)を買ってみたら、ああ、イーノやね。こんなんやね、と思いつつ、塩梅がよかったので、昔聴いてたアンビエント1〜4と『The Pearl』をまとめ買いした。80年代のを改めて聴いてみると、いいんだけど新作に比べるとだいぶ落ちるね。30年も経つとやっぱ深まるよね。境地にも達するよね。そんなわけで、『Lux』いいですわ。