『傷だらけの店長』

傷だらけの店長 〜それでもやらねばならない〜伊達雅彦『傷だらけの店長 〜それでもやらねばならない〜』読んだ。
 薄給で人手不足で拘束時間が長くて、でも本が好きだから書店員を続けていたが、近所に大型店が進出してきて。みたいな話がやたらかっこいい文体で書かれている。
 書店の実情ってどんなんだろう、という興味で買って、そっち方面でも面白かったんだが、こういうことは書店に限らず起こってる。しぼんでる業種はいろいろある。
 そんで、仕事に対する思いと現状のギャップなんかは、さらに広くどの業種でも同様だろうなと思った。
 なので共感っていうと気恥ずかしい感じがするけど、お仕事に関する本として、とても面白かった。
 
 客が探している本を見つけられたら嬉しいとある。探しているものがはっきりしてればともかく、漠然とした質問は迷惑だろうと思っていて、俺はしたことがない。そういうのでもやっぱり嬉しいもんなんですな書店員としては。もちろん場合によるだろうけど。言われてみればそうか。自分の技能でお客さんに喜んでもらうのが基本だもんな。
 っていうか書店員と本に関する話をした覚えがない。
 音楽だと、レコードの時代は店員に頼めばどれでも試聴できた。そのときに店員にいろいろ教えてもらったりした。レンタル屋でも、これが好きならこれも好きなはず、とか、これは聴いとかないととか、新譜出たから聴くよねつって返事しないうちに袋入れられたりとか、楽しかったけど。
 今でもマニア向けの店だとそんなんかもしれんけど、近所の普通の店でいろいろ教えてもらうって、まあ当然減ってるわね。模型屋とかカメラ屋とかも。ネットがあるから情報は増えたけども。

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