カルトーラ『人生は風車〜沈黙のバラ』

0601_cartola.jpg■アマゾンにないからタワレコにリンク。って、今気付いたが3800円もするのか!? 2枚組でもない国内盤だから、こんな変な値段だとは思わなかった。ほかのと一緒にレジ持ってって、なんか高いなとは思ってたんだけど。
 
 中身は大変に良かった。酒焼けしてそうなサングラスのおっさんがサンバの巨人なんだそうで、さぞかし土臭い音なんだろうと思いきや、メロウで優雅。うっとり身悶えしそうに心地いい。って言うと誤解されそうな感じだけど、どう言えばいいのかわからない。なんの影響を受けて、どんな経緯でこんな音になってるのか、そもそもよくわからん。
 それにしても、テクノやらロックやらR&Bやらから遠すぎる。歌謡曲でもない。もちろんMPBなんだが、それをナシにして既知の音楽で近いものっていうと、形態的には小学校の音楽で歌わされたやつが一番近いんじゃないか? なんで俺はこんなの聴いてるんだ。
 『Ensaboa』って曲はマリーザ・モンチのCDで聴いたことがあった。アート・リンゼイのプロデュースで、坂本龍一とジョン・ゾーンが参加してる。あらためて聴くと、こっちの音の方がやっぱり馴染みがある。ロックやらなんやらに近い。面白いこともやってる。けど、オリジナルより良くなってるわけじゃないんだよな。単純にどっちがいいって問題じゃないけども。
 何かを一定の間隔で叩いて音を出すと、なんだか気持ちがいい。もっと音を足せば、もっと気持ちよくなる。そうやって複雑な音楽ができてったとして。けども形態が確立しちゃうと、その形態のマネのマネとかなっていくうちに、もともとの「なんだか気持ちいい」から外れていくこともある。新しいとか、かっこいいとかも、気持ちいいには邪魔かもしれない。情報として身に付けてきた「こういうのが気持ちいいんだ」に合致する音を聞けば、「気持ちいい」という出力を返すようになってたりするが、それはよく見るまえから、お花がキレイとか、虫がキモいとか、むしろかっこいいとか反射的に返すのと同じようなことで。
 なんかアレだな。最近、痛いことばっか書いてるな。まあいいや。そういうことを改めて思ったりしたと。新しいのもかっこいいのも好きだけど、この気持ちよさに勝てるのはなかなかないなと。

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