年食ってるから昔話をくどくどするよ
マンガ
■吾妻ひでお『定本 ときめきアリス』買った。
『失踪日記』で初めて吾妻ひでお読んだ人が、これとか他の作品読んでどう思うんだろう。面白いのかな。
ウィキペディア詳しいな。
双葉社版のオリジナルが出たのは'85年。当時買った。でもしばらくして売った。吾妻ひでおの単行本は、特に気に入ってた何冊かだけ残して処分した。なんか終わりにしたかったと言うか手を切りたいような感覚があった。
読み過ぎたんで。何冊も読んだとか、繰り返し読んだとかいうことより、「吾妻ひでお的」なものに浸かりすぎてた。
吾妻ひでおの方も、この辺から描かなくなる。
'92年に出た『夜の魚』の大塚英志による解説はこう始まってる。
吾妻ひでおは私たちが置き去りにしてきた作家である。いや、置き去りにされることを望んだのは吾妻ひでおのほうかもしれない。
『漫画ブリッコ』に中森明夫『「おたく」の研究』が載ったのが'83年。当時、これ読んでかなりショック受けた。「おたく」という言葉はこれ以前にはなく、外からの目線でもって、ここで初めて定義された。
自虐ネタとして自分たちを「変態」とか「ビョーキ」とか言って喜んだりしてたけども、外から見てどうキモいのかは知らんかった。俺はこんなに気持ち悪いのかと。「こんなことではいかん」と思い始めた。そのくせ、その後受験で上京したとき巡礼したのが、当の中森明夫の文章に出てくる同人誌販売店フリースペースと、当時はガチでロリの小中学生版ブルセラショップであった高田馬場ぺぺ(店内のノートには金田伊巧のイラスト入りサインがあった)だったりするんだけど、まあ2年くらいかけて徐々に脱オタを計ったと。だからってモテに行くなどという選択肢は思いもつかず、やたらレコード借りるとかそっち方面に行ったんだが。
当時のオタと新人類を対比させて、新人類のほうはオタを相手にしてなかったっていう話があるけど、まるっきりかぶらないわけじゃなかった。新人類はメディアオタで、何にでも興味を持ってた。守備範囲360°のレーダーでどんな情報も見逃さないのが自慢だった。「高橋留美子いいよね」とか言ってた。「管理人さんもいいけど、ラムちゃん最高」くらい言いかねなかった。吾妻ひでおはニューウェイブと呼ばれてたから全然範囲内。
吾妻ひでおはニューウェイブでもあったが、やっぱりオタだった。ずっぽりオタだった。当時のオタの頂点みたいな存在だった。脱オタを計る俺にとっては忘れたい過去であり、単行本は捨てなきゃいけないものだった。
それほど大きな存在だったのに、吾妻ひでおを引き継いだマンガ家となると思い付かない。吾妻ひでお的なもの、って言うか、当時吾妻ひでおに群がってた人たちの感覚は、拡散して見えなくなった感じがする。吾妻ひでおはそんなふうに消えた。この『ときめきアリス』だって、今のオタの感覚と全然違うし。オタであろうがなかろうが、当時の空気を知らずに読んでも、フックがないんじゃないかと思う。
俺的には『スクラップ学園』が吾妻ひでおのベストでありエバーグリーンだと思う。「なんかもう既にここに全部あるな」と思う。「どっち方面の、どのくらいの範囲の全部だよ?」と自分でツッコミを入れたくなるが、読むとそう思ってしまう。これこそを文庫とかじゃなくちゃんと復刊してほしい。
あと、俺にとっては未だに吾妻ひでおが一番エロい。『ときめきアリス』だと第4章の天女をこますシーンが凄くいい。比較的最近の『エイリアン永理』もかなりいい。まず、入れる。次に出す。これが男の目的。最近のエロマンガは入れるところの障壁が低い。入れるくらいは何てことないから、もう凄んごいぐちょぐちょにしましょうってことになってるが、ポイントはぐちょぐちょじゃなくて、入れる瞬間だから。そこをおざなりにするなと言いたい。
そんでフォルム。手塚治虫っぽいシンプルな丸い線に肉感がある。これがもの凄くいい。川上麻衣子のヌードを見たとき、「吾妻ひでおの絵みたいだ」と大層興奮した。なんだか逆さまだが。話ズレるが'00年に出た川上麻衣子の写真集は児ポ法施行後に17歳当時のヘアヌードを載せてて芸術ってのは凄いなと思った。
さらに話をズラすと、ロリコンマンガ出身の、みやすのんき『やるっきゃ騎士』が'81年、内山亜紀『あんどろトリオ』が'82年で、メジャー誌の反応が凄く速い。『あんどろトリオ』は幼女のオムツできゃーきゃー言ってるメチャメチャなエロマンガで、内容的にも電波っぽい。こんなのが週刊少年チャンピオンに載ったのが凄い。エロ方面でこれ以上狂ったマンガはもう少年誌に出ないだろう。一方、ロリコンマンガの影響はまるで感じられないのに明らかに絵柄が新しかった、中西やすひろ『Oh! 透明人間』が'82年に始まってるのも興味深い。
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